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契り【~初身世】
第2章 月琴楼
「…え?」
「ですから『死神』になるなら神通力が必要です。」
ここは三途の川『221‐Bの橋』。
この『橋』の管理人となった今福線こと常夜は、上司である弥勒と話をしていた。
「『貴族』なら産まれ持った死神の力があります。…しかし、一般的な魂が死神になった場合、神通力を持ってない。そういった場合、他の神達から神通力を少し貰わなければなりません。」
弥勒は真剣な眼差しでターナを見る。
「…そのためには、神様達と………」
常夜の顔がみるみる紅くなる。
「『契』を交わさなければならない。」
「ッ!!/////」
弥勒の言葉に常夜は後ろに回り、紅くなった顔を手で隠す。
「…これは『儀式』です。」
「儀式?」
涙眼で常夜は弥勒の顔を見る。
「現世で男性と交わりのない清らかな処女(おとめ)は世の邪気で汚れた神を浄める力がある。処女の死神は神を交わりで浄め、神は処女に神通力を与える。」
「…交換条件という訳ですか?」
「そうです。」
「…」
常夜は俯き考える。
「…安心して下さい。此方にも選ぶ権利はある。初めての君に負担を掛ける相手は決して選ばない。」
「…」
「…神と契りを交わす部屋専用の『店』があります。
一度、お店に行ってみますか?」
弥勒の提案に常夜は小さく頷く。