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約束のピンキーリング
第5章 ☆
他のメンバーが出払って2人きりだった会議室で
昼休みの終わりに、フラれた元カレから連絡が来た。
もう1度きちんと話し合いたい、と言って来た。
着信拒否にしてなかったんだ―――
ぼんやり思った感想はそれで
嬉しくも嫌でもない、メールへの的外れな感想に、少し可笑しくなった。
「何笑ってんの?」
こっちに視線は向いていないはずなのに
相変わらず難しい顔をしてパソコンのキーを打ちながら岡本主任が聞いてきた。
「え、あぁ、何でもな・・・」
「言って」
強引な物言いは相変わらずで
「元カレが1度話をしたいって」
そう正直に答えれば、キーボードを打つ手が止まって
視線をこちらに向ける。
「何だそれ」
明らかに不機嫌になって眉間にしわを寄せたかと思うと
再び、ものすごい勢いでキーを打ちだした。
「会うの?」
「会わないわよ」
「ふぅ~、ん」
そのまま何も言わない岡本主任に、そこで会話が終わったと思って、私も書類に手を伸ばした。
「会うんだったら俺も行くから」
「え?」
「だから。もし会うんだったら、俺も行くから」
「なんで?」
「2人で会わせたくないから」
「・・・」
昼休みの終わりに、フラれた元カレから連絡が来た。
もう1度きちんと話し合いたい、と言って来た。
着信拒否にしてなかったんだ―――
ぼんやり思った感想はそれで
嬉しくも嫌でもない、メールへの的外れな感想に、少し可笑しくなった。
「何笑ってんの?」
こっちに視線は向いていないはずなのに
相変わらず難しい顔をしてパソコンのキーを打ちながら岡本主任が聞いてきた。
「え、あぁ、何でもな・・・」
「言って」
強引な物言いは相変わらずで
「元カレが1度話をしたいって」
そう正直に答えれば、キーボードを打つ手が止まって
視線をこちらに向ける。
「何だそれ」
明らかに不機嫌になって眉間にしわを寄せたかと思うと
再び、ものすごい勢いでキーを打ちだした。
「会うの?」
「会わないわよ」
「ふぅ~、ん」
そのまま何も言わない岡本主任に、そこで会話が終わったと思って、私も書類に手を伸ばした。
「会うんだったら俺も行くから」
「え?」
「だから。もし会うんだったら、俺も行くから」
「なんで?」
「2人で会わせたくないから」
「・・・」