この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
約束のピンキーリング
第8章 グ
「どっから・・そんな話が出た?」
整った顔をゆがめて寂しそうな目で見つめる。
「聞いたのよ。ちゃんとこの耳で!」
「は?」
「結婚するつもりはない、って」
「だから、どっから!」
「給湯室で話していたでしょう!」
「あ・・ぁ。あれか」
ほんの少し思い出すように考えて、その後ホッと息を吐き出して、ゆっくりと顔を崩すように笑った。
「で?」
「で・・・って。それだけよ」
「だから、結婚したいヤツを集めて合コンするって?」
「悪い?私もう31なんですけど」
「悪いだろ?」
「・・・・」
「俺がいるだろ」
「だか、ら」
「俺がいるだろ?」
「・・・・」
「何度も何度も・・・
あんなに優しく抱いて、俺の気持ち伝わってなかった?」
優しく、抱かれてるとは思って、た。
「あんなに愛してるってささやいてたのに。
俺の気持ち伝わってなかった?」
「・・・」
「ほら。俺が贈った指輪もつけてるのに。
それでも結婚前提の合コンに行くなんて言うなよ」
テーブル越しに私の左手を優しく包んでピンキーリングを優しく触った。
「・・・・」
岡本主任の口調は穏やかに穏やかに。
年下のくせに私に言い聞かせるように穏やかだった。
「これは!」
「これは?」
「これはピンキーリングだもの!」
「うん」
「薬指には小さいのよ」
「うん」
「薬指にはめることはできないの」
「うん」
「だから、きっと、岡本くんの私への気持ちも
結婚するには足りない大きさ、なの、よ」
「言葉足らずだったな」
整った顔をゆがめて寂しそうな目で見つめる。
「聞いたのよ。ちゃんとこの耳で!」
「は?」
「結婚するつもりはない、って」
「だから、どっから!」
「給湯室で話していたでしょう!」
「あ・・ぁ。あれか」
ほんの少し思い出すように考えて、その後ホッと息を吐き出して、ゆっくりと顔を崩すように笑った。
「で?」
「で・・・って。それだけよ」
「だから、結婚したいヤツを集めて合コンするって?」
「悪い?私もう31なんですけど」
「悪いだろ?」
「・・・・」
「俺がいるだろ」
「だか、ら」
「俺がいるだろ?」
「・・・・」
「何度も何度も・・・
あんなに優しく抱いて、俺の気持ち伝わってなかった?」
優しく、抱かれてるとは思って、た。
「あんなに愛してるってささやいてたのに。
俺の気持ち伝わってなかった?」
「・・・」
「ほら。俺が贈った指輪もつけてるのに。
それでも結婚前提の合コンに行くなんて言うなよ」
テーブル越しに私の左手を優しく包んでピンキーリングを優しく触った。
「・・・・」
岡本主任の口調は穏やかに穏やかに。
年下のくせに私に言い聞かせるように穏やかだった。
「これは!」
「これは?」
「これはピンキーリングだもの!」
「うん」
「薬指には小さいのよ」
「うん」
「薬指にはめることはできないの」
「うん」
「だから、きっと、岡本くんの私への気持ちも
結婚するには足りない大きさ、なの、よ」
「言葉足らずだったな」