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約束のピンキーリング
第8章 グ
「ココで待ってて」
帰り間際だった私と違って、外出先から帰社の岡本くんは
「今帰る用意してくる」
と、先方からの書類をひらひらさせ、経営管理部に置きに行った。
部内ですでに広まっているらしい噂を振りきって
多少機嫌悪く第1会議室に帰ってきた岡本くんは
「ごめん。経管だけじゃなくて秘書課にもすでに回ってる」
そう苦笑いして私を立たせるために私の手を握る。
「明日めんどくさいな」
口ではそう言っているものの、エントランスでも私の手を離す気配はなくて
「いっそ社内全部に広がればいい。誰も百合に手を出さないように」
なんて呟きながら、会社の目の前からタクシーに乗り込んだ。
すがすがしささえ感じるそのつぶやきに、プッと笑うと
「俺以外をもうその瞳に映らせたくないよ」
そう首筋にキスをした。
「プロジェクトが無事に終わってから、という気持ちもあったけど
加賀部長に、仕事が終わる前に百合に手を出すなって言われてて」
「え・・・」
「新田常務からも中途半端な男が秘書課の宝を振りまわすなって釘を刺されてて」
あの二人・・・
「ずっと歯がゆかった」
帰り間際だった私と違って、外出先から帰社の岡本くんは
「今帰る用意してくる」
と、先方からの書類をひらひらさせ、経営管理部に置きに行った。
部内ですでに広まっているらしい噂を振りきって
多少機嫌悪く第1会議室に帰ってきた岡本くんは
「ごめん。経管だけじゃなくて秘書課にもすでに回ってる」
そう苦笑いして私を立たせるために私の手を握る。
「明日めんどくさいな」
口ではそう言っているものの、エントランスでも私の手を離す気配はなくて
「いっそ社内全部に広がればいい。誰も百合に手を出さないように」
なんて呟きながら、会社の目の前からタクシーに乗り込んだ。
すがすがしささえ感じるそのつぶやきに、プッと笑うと
「俺以外をもうその瞳に映らせたくないよ」
そう首筋にキスをした。
「プロジェクトが無事に終わってから、という気持ちもあったけど
加賀部長に、仕事が終わる前に百合に手を出すなって言われてて」
「え・・・」
「新田常務からも中途半端な男が秘書課の宝を振りまわすなって釘を刺されてて」
あの二人・・・
「ずっと歯がゆかった」