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約束のピンキーリング
第8章 グ
「これでやっと百合の全てを俺のモノにできる」

岡本くんはマンションの部屋に入るなりギュッと抱きしめた。
「ベッドへ行こう」
その声はかすれていて
必死に自分を抑えているようで嬉しくなる。


「ねぇ?」
「なに?」
「私の事、いつから好きなの?」
「え?それ今聞く?」
「知りたいな」

腕をからめて下から覗き込むと少し照れて

「入社後の説明会の時・・・」
「うん」
「常務の話の時に百合が資料を配って」
「あぁ。なんとなく覚えてる」
「綺麗な人だな、って一目ぼれ」
「へぇ!」
「それからは気になって、いつも目で追ってた」
「へぇ~」

ニヤッとした私に
「言いたくなかった」
と、キスをしてきた。
「なんで?嬉しいよ」

「もう余計な事はしゃべらないで良いから。
『婚約者の俺に』・・・大人しく抱かれて」

照れ隠しのように、目を伏せて、私の衣服をはぎ取った。

「愛してるよ」

身体ごと、温かい手で撫でられて
その手を追うようにキスをする。
優しい手の愛撫は、私を酔わせて惑わせる。

そのキスが所有欲を表して私を虜にする。

「ん・・っ」

耳元で何度も愛してるとつぶやかれて
私も返事をしたいけど、とぎれとぎれになるその声に
岡本くんはさらに満足に笑う。
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