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花の輪舞曲
第1章 夜啼鳥の小夜曲
楚々とした美貌に、女性らしい柔らかな艶めいた表情が輝いている。
岩倉は黙って唇を近づける。
「…あ…っ…」
腕の中の笙子の体温が少し上がる。
「…目を閉じて…そう…力を抜いて…」
カウンセリングの時のように、穏やかに伝える。
小さな貌を両手で包み込み、口づけを繰り返す。
やや強張る唇を少し強引に開き、白く整った歯列を舌で割る。
「…んっ…あ…」
濃密なキスはまだ怖がる笙子を宥めすかすように、優しく髪を撫でる。
「…笙子…愛している…」
呼び捨てにした瞬間、その身体が柔らかく弛緩した。
再び、口づけしながら舌を差し入れる。
無垢な口内を味わうように笙子の舌を捉え、絡ませる。
「…あ…っ…んんっ…」
薄く頼りなげな舌を、苦しげな吐息ごと大胆に吸う。
おずおずと、笙子の舌が岩倉のそれに絡まるのを捉え、蹂躙するように…けれど笙子に快楽を与える為に繊細に口づけを続ける。

「…や…っ…も…う…くるし…」
息も絶え絶えに掠れた声で訴えるのに、岩倉は漸く彼女を解放した。
白く透き通るような頬が匂い立つように桜色に染まっている。
長い睫毛の先に涙を絡めながら、笙子はぐったりと岩倉に身体を預けてきた。

そのまま天女のように軽い身体を横抱きにし、寝室に向かう。
「…今日は、もう少し先までレッスンしましょう。
よろしいですか?」
笙子は無言のまま小さく頷き、岩倉の胸に貌を埋めた。






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