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花の輪舞曲
第1章 夜啼鳥の小夜曲
「…本当に…お美しい…。まるで絵物語の姫君のようだ…」
近づき、見つめる。
「…そんな…大袈裟ですわ…」
恥じらいながら岩倉を見上げるそのか細い肩を抱きしめる。
そっと離し、熱いまなざしで全身を見つめ、白い耳朶に吹き込むように囁く。
「…昨夜は…私の知らない貴女をひとつ拝見させていただきました。
…秘められた貴女はとても美しかった…」
「…あ…っ…」
見る見る内に、笙子のむきだしの頸が桜貝のような可憐な色に染まる。
「…私だけが知ることの出来た貴女の身体です…」
朝の光の中で交わされる言葉にしては淫靡な色めいたものだ。
しかし、この愛おしい男から聞かされるのならば、少しも不快ではない。
…むしろ…。
「…今夜は…もっと…千紘さんが望まれることを…出来るように努力いたしますわ…」
潤んだ黒い瞳が一途に訴える。
「…可愛いひとだ。
私をこれ以上骨抜きにして、どうされるおつもりなのですか…」
やや苛立ったような口調で囁き、その形の良い顎を捉え少し荒々しく唇を奪う。
「…んっ…だ…め…紅が…」
口紅が落ちるのを心配する笙子に笑みを漏らす。
「私が直して差し上げます。
…お化粧直しは得意なのです」
「…どなたの紅を直されたのですか…?」
嫉妬などおよそ不似合いな美しく清らかな貌がやや膨れっ面めいた表情になる。
「やきもちを焼かれる貴女は一段と可愛らしい…」
再び引き寄せ、唇を合わせようとした刹那…廊下から冷めた声が飛んだ。

「…取り組み中悪いけど、朝食が冷めるから呼んでこいってさ」
環が憮然とした表情で腕を組んでいた。

笙子は慌てて岩倉の陰に隠れてしまう。
「ありがとう、千紘。…笙子さん、行きましょうか」
何食わぬ顔で笙子の手を引き、環の前を通り過ぎようとしたその時…、思わぬ言葉が環から発せられた。

「笙子さん、お願いがあるんだ。
…あんたをモデルに絵を描かせてくれないか?」
岩倉は足を止め、思わず環を振り返った。






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