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花の輪舞曲
第1章 夜啼鳥の小夜曲
…男の唇はそのまま、強張る笙子の唇を優しく…しかし大胆に押し開いていった。
巧みだがこの上なく優しい口づけを与えながら、囁く。
「…もっと唇を開けて…そう…いい子ですね…」
「…ん…っ…」
男の肉厚な舌が、笙子の震える柔らかな舌を捉える。
優しく絡め取りながら、そっと吸い…ゆっくりと優しく離す。
笙子の桜貝のような儚げな耳朶を甘噛みし、熱く囁く。
「…愛しています。…貴女が私の腕の中にいることが奇跡のようだ…」
岩倉の熱い思いに触れ、笙子の身体は蕩けるように弛緩してゆく。
「…千紘さ…ん…」
甘い口づけだけで、崩れ落ちそうになる華奢な身体をしなやかに抱きとめる。
岩倉は笙子の艶やかな黒髪を愛おしげに撫で、そっとその髪に口づけした。
「…今日はここまでです。
お疲れになったことでしょう。
…さあ…」
「…千紘さ…!」
不意に男の逞しい腕に横抱きにされ、笙子は思わず声を上げた。
「寝床まで抱いてお連れします」
岩倉の笑顔が優しく笙子を見下ろす。
「…そんな…!」
慌てる笙子を可笑しそうに笑う。
「笙子さんはなんて軽いのでしょうね。
まるで天使だ…」
大股で部屋を横切り、床の間に敷かれた純白の褥に笙子を丁寧に下ろす。
笙子の黒い絹糸のように美しい髪が千尋の海原のように広がる。
岩倉はそのまま、笙子の隣に添い寝した。
笙子の白く美しい手を握りしめ、恭しく甲にキスを落とす。
「…これからは毎日一緒です」
「…ええ…」
潤んだ瞳で見上げる笙子を胸元に抱き寄せる。
「ゆっくりお寝みなさい…。何もご心配になることはありませんよ…」
笙子は古式ゆかしい香の薫りに包まれながら、男の胸に頬を寄せ、小さく…しかしはっきりと告げた。
「…愛しています。…千紘さん…。
ずっと…おそばに置いてください…」
「…笙子さん…」
岩倉は今一度、笙子を強く抱きしめ…堪らないようにため息を吐いた。
「…可愛いひとだ…。このまま食べてしまいたいほどに…」
…さあ、もうお寝みなさい…。
笙子の白綸子の夜着の背中を優しく撫でる。
男に抱かれながら眠りに就くことなどできるのだろうか…と案じる思いをよそに、笙子は次第に眠りの世界に誘われていったのだった。
巧みだがこの上なく優しい口づけを与えながら、囁く。
「…もっと唇を開けて…そう…いい子ですね…」
「…ん…っ…」
男の肉厚な舌が、笙子の震える柔らかな舌を捉える。
優しく絡め取りながら、そっと吸い…ゆっくりと優しく離す。
笙子の桜貝のような儚げな耳朶を甘噛みし、熱く囁く。
「…愛しています。…貴女が私の腕の中にいることが奇跡のようだ…」
岩倉の熱い思いに触れ、笙子の身体は蕩けるように弛緩してゆく。
「…千紘さ…ん…」
甘い口づけだけで、崩れ落ちそうになる華奢な身体をしなやかに抱きとめる。
岩倉は笙子の艶やかな黒髪を愛おしげに撫で、そっとその髪に口づけした。
「…今日はここまでです。
お疲れになったことでしょう。
…さあ…」
「…千紘さ…!」
不意に男の逞しい腕に横抱きにされ、笙子は思わず声を上げた。
「寝床まで抱いてお連れします」
岩倉の笑顔が優しく笙子を見下ろす。
「…そんな…!」
慌てる笙子を可笑しそうに笑う。
「笙子さんはなんて軽いのでしょうね。
まるで天使だ…」
大股で部屋を横切り、床の間に敷かれた純白の褥に笙子を丁寧に下ろす。
笙子の黒い絹糸のように美しい髪が千尋の海原のように広がる。
岩倉はそのまま、笙子の隣に添い寝した。
笙子の白く美しい手を握りしめ、恭しく甲にキスを落とす。
「…これからは毎日一緒です」
「…ええ…」
潤んだ瞳で見上げる笙子を胸元に抱き寄せる。
「ゆっくりお寝みなさい…。何もご心配になることはありませんよ…」
笙子は古式ゆかしい香の薫りに包まれながら、男の胸に頬を寄せ、小さく…しかしはっきりと告げた。
「…愛しています。…千紘さん…。
ずっと…おそばに置いてください…」
「…笙子さん…」
岩倉は今一度、笙子を強く抱きしめ…堪らないようにため息を吐いた。
「…可愛いひとだ…。このまま食べてしまいたいほどに…」
…さあ、もうお寝みなさい…。
笙子の白綸子の夜着の背中を優しく撫でる。
男に抱かれながら眠りに就くことなどできるのだろうか…と案じる思いをよそに、笙子は次第に眠りの世界に誘われていったのだった。