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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第7章 大きさの問題

「俺ぁ、今ぁまだ冷てーんですもん。温まったらそっち行き……あ、こら!」
「ほんとね、冷たいわ!氷みたいよ」

 ローゼルはビスカスに近付くと、手を取って頬擦りして口づけて、脚を絡ませてくすくす笑いました。

「あああああ!……せっかくこんなにあったけーってのに、俺に触っちまったら冷えちまうじゃねーですか……」
「駄目よ。私だけあったかくてビスカスが寒いなんて、嫌だもの」
「リュリュ……」

 ビスカスは愛おしさで胸が一杯になって、笑っている妻の唇に冷たい鼻先が触れない様に気を付けながら、ちゅっと軽く口づけました。

「……昨日、焼き餅やいたの。」
「へ?」

 口づけを受けて微笑んだローゼルは、幸せそうに溜め息を吐くと独り言の様に囁きました。

「私、おっぱい小さくはないかもしれないけど、どう見たって大きくは無いでしょう?」
「そりゃ……でも、俺も別に、大……」

 俺も別に大きかねーですし、とビスカスは言いかけましたが、その一言はローゼルに聞かせるには色々と面倒な問題を含んでおります。ビスカスは途中で言葉を飲み込んで、方向を無理矢理変えました。

「……俺も別に、大きいおっぱいが好きな訳じゃあねーですし」
「正直に言っても良いのよ?もう、怒らないから」
「へ?」
「出て行ったらその日に、おっぱい大きい人ばっかりのお店で、自棄酒飲む予定だったのよね?」
「ええ、まあ」
「そしたらあなた、潰れるでしょ?」
「……そー……かも、しれやせんけど……」
「潰れたら、きっと、どこにも行けなくなっちゃうでしょ……」
「へ?リュリュっ?!なんで泣いて」
「泣いてないわよ、まだ」

 話しながら目を潤ませ始めたローゼルを見てビスカスは慌て、ローゼルは心配するビスカスを上目遣いで睨み付けました。

「……どこにも行けなくなったら、しょうがないから、おっぱい大きい女の人があなたを泊めるでしょ……」
「へっ?!」
「それで、もしかしたら、誘われて……一緒に、寝たり……」
「ちょ、リュリュ!!」

 ビスカスは内心ぎくりと致しました。それはその時自分が立てた計画そっくりだったからです。

「そりゃ、全部、リュリュの想像じゃねーですか……んな事で、泣かねーで下せーよ」
「……そんな事じゃないわ。私には『そんな事』なんかじゃ無いのよ?」

 ローゼルは遂に泣きそうになりながら、言いました。
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