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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第7章 大きさの問題
「自棄酒飲みにわざわざそういう店に行くって、やっぱりあなた、本当はおっぱい大きい女の方が好きって事じゃない……なのに、私……」
「ちげぇやす!!ちげーやすって!!!!」
「気を遣わなくって良いのよ、分かってるから……大丈夫。もう気にしないって決めたもの。頑張ったって、どうしようもない事だし……」
「や、分かってねーですよ!ちげーって言ってんでしょうが!おっぱい大きい女の店に行こうとしたなぁ、思い出さねー為なんですって!!」
「え?」
ビスカスはローゼルをきゅっと抱いて、頭の上で固く目を瞑りました。
「あー、もう全部白状しちまいやすけど、その日ぁ俺にとっちゃあ何より一番大事なお嬢様が、お従兄弟様と初床をお迎えになるってぇ日だったんですよ!?」
「……あ……」
それを聞いたローゼルは無意識に身震いし、ビスカスは妻をどこにも遣らぬとでも言う様に、きつく抱き締め直しました。
「そんな時に、一人で大人しくなんざ、してられっこ無えでしょうが……ぱーっと騒いで、何もかも忘れてえって、思ったんですよ」
「……ん」
「そん時に、お嬢様を思い出す様な女なんざ、見てー訳ねーでしょ?だって、惨めじゃねーですか……おっぱい大きい女だったら、お嬢様を思い出さねーでも済むんじゃねーかと思ったんですよ」
それに、別の女と致してる時にローゼルを思い出したりしたら二重に疚しくて萎えそうでしたし、好みのおっぱいがどんなであろうが大きいおっぱいは男の夢では有りますし……という理由は説明の必要が無いので、割愛しました。
説明は粗方終わりました。ビスカスは腕を緩めて、黙って話を聞いてくれて居た妻の額に口づけて、そこに唇を付けたまま囁きました。
「こんな風になれんだなんて……なっても良いんだなんて、夢にだって見ちゃいけねーって、ずーっと思ってたんですよ」
「ビスカス…」
ローゼルは上を向き、手を伸ばしてビスカスの両頬を撫で、少し伸び上がってちゅっと口づけました。ビスカスは情けなさそうな顔で薄く笑って、軽い口づけを返しました。
「この世のおっきいおっぱい全部やるって言われても、俺ぁリュリュのおっぱいふたっつだけのが断っ然っ良いです。ほんとです。おっぱいに誓ってもいーです」
「……ばか……」
ローゼルはビスカスが真剣な顔で告げた下らない誓いに、嬉しそうに恥ずかしそうに苦笑しました。