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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第8章 我慢の問題
*
「ああ……本当に、良かったわ……!!」
ローゼルとビスカスから、結婚に至るまでのあれこれの話を聞き終えたスグリは、お茶を一口飲んでほうっと息を吐きました。息を吐いてみると、話の間はらはらし過ぎて息が止まっていた様で、肩にも力が入っています。苦笑しながら深呼吸を二、三回して、同時に肩も揺すっておきました。
「……昨日、サクナに、大体の事は聞いたのよ?でも、大体過ぎて、良く分からない事も沢山有って……お二人がいらしてお話して下さって、とーってもほっとして、すっきりしましたわ!」
「俺だって、細けぇ事は今初めて聞いたんだからな?別にお前に出し惜しみしてた訳じゃ無ぇぞ」
サクナは長椅子にもたれて片腕をスグリの座っている側の背もたれの上に乗せ、もう片方の手でお行儀悪くお茶を飲みながら、ひとしきりぶつくさ言いました。
「いやー、スグリ様にゃあ、ほんとにご心配お掛けしちまって」
「ええ。お陰様で、落ち着く所に落ち着きましたわ」
二人にはにかんだ様に微笑まれたスグリは、その初々しい様子に思わず赤くなり、夢見る様に目を潤ませました。
「……素敵ねえ……!!ローゼル様は前よりもっとお綺麗になられたし、ビスカスさんがローゼル様をご覧になる様子もすごーく頼もしくって、お二人ともとってもお幸せそう……!!」
「そうか?」
頬を両手で押さえながら新婚夫婦をうっとりと見詰めるスグリの言葉に、サクナは眉間に皺を寄せて、茶々を入れました。
「ローゼルが綺麗になったなぁともかく、ビスカスはにやけて緩んでるだけだろ」
「違うわよ!サクナには仲睦まじいお二人の素敵さが、分かんないのねっ」
「まあまあ、お二人共……俺達をネタにしてじゃれ合うなぁ、程々にして下せーよ」
膨れるスグリを見たサクナは、仲睦まじい男女の素敵さなんざ自分達だけで腹一杯だろと言い掛けましたが、ビスカスの仲裁が入ったので口をつぐみました。
「それにですねー、スグリ様」
「なあに、ビスカスさん」
「俺が毎日幸せ過ぎてニヤニヤしてばっかで緩んでんなぁ、本っ当に本当なんでさあ。だもんで、何言われても、仕方ねーんですよー」
ビスカスは照れて頭を掻きながらえへへーと笑い、それを見たローゼルは、頬を染めてにっこりしました。