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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第8章 我慢の問題
「スグリ様?これは、ご心配をお掛けしたお詫びと御礼のしるしですの。良かったら使って頂けないかしら」
「あら!そんなのお気になさらなくっても宜しいのに……でも、嬉しいわ!開けてみても良いかしら?」
「ええ」
「勿論でさあ」
二人の言葉に、スグリはわくわくを抑えつつ慎重に、薄い包みを開けました。
「まあ、綺麗……!」
中に入っていたのは、赤い実が一房と緑の濃淡の葉が光沢の有る細い糸で細かく刺繍された手巾でした。
「これ、ドレスの飾りにもなってる刺繍よね?すごーく細かいのね!……この柄、もしかしてスグリかしら?」
「ええ。お名前と同じだし、可愛らしい柄だからスグリ様にぴったりだと思って、二人で選んだの」
「わざわざ、お二人で?本当に嬉しいわ……!大事にするわ、ありがとう!」
「良かったな、スグリ。ありがとな、ローゼル、ビスカス」
サクナは手巾を眺めながら嬉しそうに笑うスグリの頭を撫でながら、向かいに座っている二人に礼を言いました。
「私達からも、ご結婚のお祝いと都のお土産が有るの。後でお渡しするわね」
「ありがとう、スグリ様」
女二人が和やかに話すのを微笑んで眺めていたサクナは、ふと口を開きました。
「土産と言やあ……ビスカス」
「へい?」
「ちょっと一緒に来てくれねぇか?スグリの土産は奥に置いて有るんだ。運ぶのを手伝ってくれ」
「畏まりました」
「ついでに、ちょっと話も有る」
「話?」
「男同士の話って奴だな」
「まあ!……男同士の、話っ……」
「女が居ない所で、したい話ですのね……」
サクナににやっと笑いかけられ、ビスカスは慌て、女二人は男二人に胡散臭げな目を向けました。
「やっ!怪しい話じゃ有りやせんよ?!健全な話です……ですよね?……多分っ」
「ああ。健全だぞ?健全に決まってるだろうが」
女達は意味有り気ににやにやするサクナをじーっと見て居りましたが、ローゼルが先に溜め息を吐きました。
「まあ、良いですわ。私達も、女同士の秘密の話が有りますもの。……ね?スグリ様」
「そうですわねっ、ローゼル様」
「へ?秘密っ?」
「そうだよなあ。女にも、女同士の話ってのが有るよなあ」
ビスカスは「男同士の話」とローゼルの「秘密の話」の両方が気になっておろおろしましたが、サクナは頷いて嘯きました。