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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第8章 我慢の問題
「スグリ様っ?!どうなさったの!?お加減でも」
「……ローゼル様っ……なんて……なんっって、お可愛らしいのっ……!!」
「え?」
スグリはがばっと身を起こすと、テーブル越しにローゼルの手を握りました。
「初めてお会いした時からっ、本当に本当に本っ当にっ、お美しい方だなーっては、思ってたんですのよ?……だけど、ローゼル様、ご結婚されて、お美しい上にすごくすごくすごーーーく、お可愛らしくなられたと思うのっ!!」
「そ……そうかしら?」
「ええ!!ビスカスさんとお二人でいらっしゃるときも、前よりふんわり柔らかい雰囲気になられたなあって思ったのだけど、今もっ……今も、もうもうもうっ、抱き締めたくなっちゃう位お可愛らしくて……すっごく、素敵ですわっ……!!」
「まあっ……スグリ様っ」
「ローゼル様とお友達になれて、私、本当に嬉しくて、光栄ですわ!……お隣に行っても、宜しくて?」
「ええ、勿論よ!私もスグリ様とお友達になれて嬉しい……!」
スグリはいそいそとローゼルの隣に移動し、頬を染めた二人は見つめ合って微笑み合い、手を取り合って握り合いました。
それはまるで、冬なのに背景に百合が咲き乱れているかの様な、美しく麗しい光景でした。
しかし、サクナとビスカスがもしこの場に居たならば、怒鳴り散らして割って入ったり、卒倒寸前になったりしていたでしょう。二人が不在で幸いだった……かもしれません。
「ビスカスさんは、お幸せよね……!宝石の様に完璧にお美しい、素晴らしい奥様を迎えられたんですもの……!」
「そんな……恥ずかしいわ……」
「それに、お小さかった頃から、ずーっとローゼル様を大事になさっていらしたんでしょう?ずっと守ってくれていた騎士の様な殿方と結ばれるなんて、素敵ねえ!……お伽話みたい……」
うっとりと呟いたスグリの言葉を聞いて、ローゼルははっとして顔を曇らせました。
「スグリ様……」
「何ですの、ローゼル様?」
「あの……私、さっき言った事は、売り言葉に買い言葉の軽口では無くって……本当に、スグリ様に、女同士の秘密の相談が有りますの」
「え?私に相談?」
「ええ。聞いて下さる?」
「勿論ですわ!私でお役に立てる事なら、なんでも仰って!」
「嬉しい!ありがとう……!」
胸を叩かんばかりに請け合ってくれたスグリを見て、ローゼルは安堵に目を潤ませました。