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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第8章 我慢の問題
「けど、ビスカスさんはお酒は飲まないんだったかしら?」
「……ええ。私が飲み残したお酒を飲んで、寝込んでしまう位弱いの。だから、お酒として飲んで貰うのは難しいかもしれないわ」
「そうなのね……じゃあ、お料理とかお飲み物に混ぜる……っていうのも、無理かしらね……」
スグリとローゼルは、考え込みました。
もしこの相談を持ち掛けられたのがサクナで有ったなら、催淫効果の有る成分だけ残して酒っ気を飛ばす方法を教えてくれた事でしょう。けれどスグリは、この酒を「酒」のまま使った事が全部で三度有るだけでした。
「あとは、そのぅ……まず、ローゼル様が飲んで……それからっ……」
スグリは真っ赤になって口籠もり、誰も居ない事は分かっているのに辺りをぐるりと見回した後、ローゼルの耳元に唇を寄せて、こしょこしょと内緒話の様に説明しました。
「……えええっ!?そんな事っ!!!!」
ローゼルはスグリの囁きに驚いて、目玉が零れ落ちんばかりに目を見開いて、頭から湯気が出そうに真っ赤になりました。
それを見たスグリは、既に真っ赤だと言うのに、追加でかーっと耳まで赤くなりました。
「私も、最初聞いたときは、驚いたんですけど……やっ……てみると……っ……」
そこでスグリは俯いて、両手で頬を押さえました。それを見ていたローゼルも、無意識に熱い頬に両方の手を当てていました。
「ただ、する……だけでも凄いんですけど」
「……凄い……」
「お酒と一緒に……すると……」
「……一緒に、すると……」
「もっとすごく、凄いんですの……っ」
「……もっと、凄く、凄いっ……?!」
話を聞いていただけなのに、ローゼルの頭はくらくらして参りました。そうすると凄いだのもっと凄く凄いだのと耳にすると、世の中には自分の知らない秘め事の世界が、果てしなく広がっている様に思えました。
「とにかくっ、効果絶大な事はっ、保証しますわっ」
「……そう……ですのね…………そうですわね」
(女も同じようにされたら、気持ち良いのだもの……殿方だって、同じよね……)
ローゼルはスグリの言う「それ」をした事は有りませんでしたが、似た事をして貰った事は、有るのです。
その経験を逆から考えれば、確かに効果は有りそうでした。