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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第9章 甘え方の問題
「やめてっ!!後生だから、そんだけにしといてくだ……うわぁぁああああ!!」
ビスカスが騒いでいるのを気にも留めずに、片手で邪魔そうに髪を掻き上げたローゼルは、口を開けてあむっと先端を頬張りました。
「ぅぐぁぁあああああああああ!!」
「ぅるひゃい」
「っうるひゃいって、あ……っあ……ちょ、それ……っ」
「ひもひぃ?」
「っああああああなんてことをををををを!!」
「もぉらまっれ」
「ぅああああああ……あああ」
ビスカスは今、肉体的な感覚と己の心の隔たりに、悶え苦しんでおりました。
肉体的な事だけで言えば、勿論気持ち良いに決まっています。
しかし、気持ち良いと感じれば感じる程、とてつもない罪悪感が湧いて来るのです。その上、ローゼルがあれこれしている様を目にすると、女神を地上に引きずり下ろしたかの如き不敬の極みに対する畏れと、その裏返しの様な強烈な淫靡さへの誘惑の、二つの気持ちの板挟みになります。
ビスカスは、どうして良いか分からなくなり、わあわあ喚き続けました。
喚いて居ると、ローゼルが眉を顰めるのが目に入りました。それと共にビスカスはローゼルの口から解放されましたが、離れる際にちゅぽんと軽く吸われてしまい、喉から思わず変な叫びが漏れました。
「ひぅっ!」
「……ビスカス。」
「……っなんですかっ……!!」
やっとやめてくれた、とほっとしたビスカスは、ローゼルの次の命令に戦慄しました。
「目を、お瞑り。」
「へ?」
「見えているから、騒ぐんでしょう?見・な・い・で。」
「んな事っ……ぅげぇええええ!!」
ローゼルは唇を寄せていた部分の下に握りやすそうな物が有るのを発見して、両手でやわやわと弄びました。
「ちょうど良いわ。見たら、これ握り潰すわよ」
「ぃやめてぇぇえええええっ!つぶりやす!つぶりやすから、つぶさねーでぇぇえ!!本当に本当に本っ当に、やめて下せぇええ!!」
ビスカスは「やめねーと跡継ぎ出来なくなっちまいますよっ!!」と言いかけましたが、ぎりぎりの所で耐えました。言えば止めてくれるかもしれませんが、実のところは潰されようが潰されまいが、跡継ぎが出来るかどうかは分からないからです。
こんなふざけた状況であっても、自分に従わせる為だけにローゼルを縛り付ける様な言葉を口にする事は、ビスカスは絶対に嫌でした。