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第9章 甘え方の問題

　しばらく、翻弄された後。

「……だ」

　首筋に口づけていたビスカスが、何かを小さく呟きました。

「え？なに、っ？……あ」

　息を荒げたまま聞き返したローゼルの首筋から胸元にかけてを、ビスカスはくんくんと嗅ぎました。そのまま鼻先をなすり付ける様にしながら鎖骨の下に唇でちゅっと触れ、そこを軽く吸いました。

「っあ！……ぁん、ゃ……あ」

　はむはむと柔らかに唇で噛まれて吸われ、仕上げに舐められるという事が、幾度か繰り返されました。
　その間も胸は体で潰されたり掠められたりといった刺激が絶えず与えられ、すっかり固く実った先端は片手で摘ままれたり捏ねられたりしています。もう片方の手では脇腹や太腿がさわさわともどかしく撫でられていて、ローゼルは思わず両脚を擦り合わせました。

「っゃあ……あ、あん、んっ……ん」

　ビスカスの唇は胸元から離れ、嬌声が漏れ続けている唇を塞ぎに来ました。何度も口づけられ両手で髪を撫でられて、ローゼルはビスカスの首に手を回して抱き付きました。ぼうっとなって体からふっと力が抜けた瞬間、閉じていたのが緩むのを待っていたかの様に、ビスカスの手がするりと脚の間に滑り込みました。

「あ、ゃああぁあん！！」
「……っ」
「や、いゃあっ、あ、う、ん」

　口淫をしていた時から既に、そこは潤み切って溢れ滴っておりました。
　ぐちゅぐちゅとかき混ぜられ嬲られて、ローゼルの腰は勝手にがくがく震えました。

「あっ……ああん……んっ……」

　いつもの軽口や睦言では無く、熱く激しい吐息と時折低く零れる唸り声の混じった愛撫で、ローゼルは体中どろどろに溶かされた様に感じておりました。
　不意に脚をぐっと持ち上げられて深く曲げられ、片膝を大きく開かれました。

「きゃっ？！や……いやっ、やだっ、恥ずかし……ゃぁあああん！？」

　ローゼルの戸惑いをよそに、露わになって夜気に曝されひくついていた入口に、ビスカスは自身を深々と埋めました。