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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第9章 甘え方の問題
 捨て台詞めいた言葉を残し、リアンは部屋を出て行きました。

「ごめんなさいね、我が儘な子で」

 乱暴に閉められた扉を眺め、マリアは溜め息を吐きました。
 
「いえ……」

(我が儘っちゃ、我が儘なんだが……前にお会いした時と、なんだか感じが変わった様な……)

 リアンの出て行った扉をぼうっと見ていたビスカスは、気のせいか、と視線を戻しました。

「待ってる間に、お菓子をいかが?」

 マリアは微笑んでお茶を差し替え、鉢に盛られた菓子を勧めました。

「はい。ありがとうごぜぇや……!?」

 ビスカスは会釈をして菓子を一つ取り……かけて、ぽろっと取り落としました。

「どうかなさった?」
「っや……いえ、なんでも」

 マリアが菓子鉢に屈んだ際に、ビスカスの目が驚くべき物を捉えてしまったのです。
 ドレスの襟元から覗いたマリアの白い肌には、点々と紅い内出血の痕が有りました。

「……あら?ビスカス……?」
「はいぃっ?!」

 思わずかあっと顔と頭に血が上ったビスカスは、小首を傾げられて焦りました。

「この部屋、暑くは無いわよね?」
「……はいっ!全然っ!ちょうど良い、ですっ!!」

 不審そうに見られて、さらにのぼせそうになり。
 視線を彷徨わせた末にうっかり襟元に目をやってしまい、はっとして逸らすという、いかにも怪しい真似をしてしまいました。

「……もしかして、見えちゃった?」
「うっ!!」

 悪戯っぽく問い掛けられて答えに詰まり、口籠もったものの態度に表れて居たのでしょう。
 マリアは苦笑して、薄い織物のショールを傍らから取り上げました。

「失敗したわ。急いで着替えて来たから」

 首にふわりとショールを巻くと、にっこり艶やかに微笑みました。

「これで、大丈夫かしら?」
「へいっ!全く、全然、大変、大丈夫でっ!」
「ごめんなさい、お見苦しい物を見せて」
「いえっ、お見苦しくなんかっ……こちらこそっ、大変な失礼をっ」

「真面目なのねえ、ビスカス」
「うっ……!いやっ、」
「ふふ。ロゼにはやっぱり、貴方だわ」

 マリアは、楽しげに笑いました。

「……リアンにロゼとの縁談を報告された時、とっても心配したの」
「へっ?」

 驚いた上に更に驚くビスカスに、マリアはお天気の話でもするかの様な、軽やかな口調で告げました。

「リアンとロゼは、無理よ。」
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