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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第9章 甘え方の問題
「……ね、ビスカス」
「何ですかっ、リュリュ」
「かんで、っ」
「へ?」
ローゼルは片手で、自分の首筋と背中に掛かっている髪を避けました。
「……噛んで、ここっ」
「え」
ビスカスはローゼルのお願いに困惑しました。大抵の事はすぐに叶えてやるのですが、これは自分の家出の原因でもあった事なのです。
不在の間に治ったのか、そこにはもう噛み痕は残っていません。せっかく消えたのに、また新たに付けろとローゼルは言うのです。
「や!……いくら、声出さねぇ為でも、そりゃ、ダメですっ」
「大丈夫、気持ち良い、から……」
「えっ?!いや、でもっ、」
「噛んで……噛みなさい、っ」
「~~~っ!!」
遂に、命令されました。
お願いなら聞かないという選択肢が有りますが、ローゼルの命令を聞かないというのは、ビスカスの中では有り得ません。
「クッソ……失礼っ!」
「っ、ぁん、」
ビスカスが躊躇って首筋を鼻先で擦ると、ローゼルは仰け反って甘く喘ぎました。
半ば自棄になって仕方なく、そのままかぷっと噛み付くと。
「……っん!んん、んんーっ!」
「ぐっ!?」
ローゼルの中がざわざわと蠢いて、痙攣する様にきゅんきゅんとビスカスを締め付けました。
(何?!何なんだよ、おい……!気持ち良いってな、ほんとかよ……!?)
驚くビスカスの頭の中に、二人の女の声が甦って来て、わんわんと響きました。