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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第2章 仕方のない問題
「……そうだとしたら、何だと言うのですか?」

 ローゼルは摘まんでいたビスカスの袖を離して、義母に向かって一歩進み出ました。 

「もし本当にそうだとしても、私が辛かった時に気付いてくれたのも、助けてくれたのも、ビスカスだけです。一生我慢して、家を支える為だけに生きていかなくてはいけないのだと思った時に、我慢しなくても良いと言ってくれて、私が休める場所をくれたのも、守ってくれたのも、みんな、」

 そこまで口にした所で、ローゼルは胸苦しさを感じました。

(いけないわ……この人の言う事を聞いてしまって、巻き込まれてしまっては……そんな事をしたら、わざわざ自分を苦しくするだけよ)

『……ゆっくり、息を吐けますか?……なるったけ、ゆっくり………急がねぇで、ゆっくりですよ……』

 ぎゅっと目を瞑ったローゼルの頭に、息苦しくなった時にビスカスが言ってくれた言葉が思い出されました。

(……怒って、急いで答えようとしては駄目……ゆっくりでいいのよ……落ち着いて……)

 ローゼルは、なるべくゆっくり落ち着いて返事をする事に決めて、ふーっと息を吐き、目を開けました。

「……もしも、ビスカスが私を騙しているとしても、ビスカスと結婚するなら家から出て行けと言われたとしても、構いません。私は、ビスカスと結婚します」

「……あなた……」

 奥方様は、顔を歪めました。

「……あなたも、その男を利用しているのではなくて?」
「え」
「自分の言う事を何でも聞く男を、苦し紛れに婚約者に指名しただけではないの?……自分の言いなりになる下僕を、いきなり愛していると言われてもねぇ……口先だけとしか思えないわ」
「お義母様!」

 ローゼルに酷い言葉を投げ付けた奥方様は、一同が呆気に取られている間につかつかと寝室に入り込み、初床の寝台から上掛けを剥ぎ取りました。

「ほらご覧なさい。破瓜の印はどうしたの?あなた達、本当に契ったの?お芝居して適当に言い繕って誤魔化して、後継者になろうとしているんじゃなくて?」
「……っ……」

 確かに、ローゼルはまだ生娘のままです。破瓜の印が残されている訳が有りません。ローゼルは何も言えぬまま、唇を噛んで奥方様を睨み付けました。
 その時、ふっとローゼルの背中が温かくなり、ぽんと優しく手が置かれ、ばさっと何かが肩を掠めて、奥方様の方に投げられました。
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