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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第10章 しずくの薔薇
「……誓うわ」
ローゼルは口づけていたビスカスの手に、額を付けて囁きました。
「この先どれだけ多くの人に求められても、愛されても、どんな人とどこで何をしなくてはならなくなっても、私は、あなただけのものよ。……そして、あなたがいつ誰とどこに居て、どんな事をしていても、あなたは私だけのもの」
そして、ビスカスの手から水晶を受け取って、それを見ながら呟きました。
「……これは、その印だと思っていても、良いのよね?」
「無論です」
ビスカスは、自分の手を握っていたローゼルの手を取って、その甲に恭しく口づけました。
「私だけに捧げられた、私の為にだけ咲く薔薇に、不足なんか、有る訳無いわ」
水晶を握り締めたまま、ローゼルはビスカスに抱き付きました。そして、互いにきつく抱き締め合いました。
「好きよ……愛してるわ、ビスカス」
ローゼルは大輪の薔薇が綻ぶ様に、世にも美しく、あでやかに微笑みました。
「愛してます。俺は死ぬまでーー」
ビスカスは唇が唇に触れる前に、ひっそりと呟きました。
「……たとえ死んでも、あんたのもんです」