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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
「おっ……」
「おはよう御座います、若旦那様。ローゼル様のお支度が、整いましたよ」
ビスカスは、影で密かに呼んでいる「おっ母さん」というこのローゼル付きの侍女の呼び名を、無理矢理仕口の中に舞い込みました。
「おっはよーごぜーやす……あー、びっくりしたー……!」
「呼びに行こうとして、開けたら居るんだもの。こっちだってびっくりしたわ」
「おっ母さん」は、ビスカスの背中を一つぱんっと叩きました。
「この度は、誠におめでとうございます。遂に結婚式ね、しっかりね!!」
「へいっ、ありがとうごぜぇやす!!」
「若旦那様?」
奥から、別の侍女達も出て参りました。
「おめでとうございます。奥様が、お待ちですよ」
「ああ。ありがとう……」
ビスカスは今度こそ扉を開けかけて、一瞬止まりました。
「……どうぞ、若旦那様」
「へい」
侍女達に、温かく微笑まれて。
ビスカスは、扉の取っ手を回しました。