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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第2章 仕方のない問題

「まあ、これからも宜しく頼むよ?義弟くん」
「ひぇっ!?」
「忘れてたかな?ロゼの伴侶になるという事は、私の義弟になるという事だよ?それに、」
「ローゼルを頼む……義息子よ」
「ひぇぇえっ?!」

 タンム卿に揶揄われただけならまだしも、わざとらしい程に眉を顰めた領主様にまでそう言われ、ビスカスは硬直しました。

「ふふっ……今ならまだ、結婚ではなく婚約からする事に変更しても構わないのよ?ビスカス」
「とんでもねぇです!」

 固まったビスカスを見たローゼルは笑いを堪えながら提案しましたが、ビスカスは断固として言いました。

「遅かれ早かれ、結婚は絶対にすんですから……それなら少しでも早く夫婦になって、お嬢様のお傍に付いて居てぇです。それに、お嬢様に一生お仕えするなぁ、俺の何よりの望みなんで……それが最っ高に夢みてぇに完璧に叶うんですから、考え直せって脅されたって絶対考え直しやせんよ」
「ビスカス……」

 その、きっぱりした物言いを聞いたローゼルは、感激で目をきらきらさせてビスカスを見ました。そのローゼルを見たビスカスは、真っ赤になって頭を掻きました。

「……多少……や、かなり分不相応なとこは、おいおい何とか致しやす……」
「決まりですね、父上様」
「ああ。……お目出度う、ローゼル、ビスカス」
「ありがとうございます」
「ありがとうごぜぇやす……」
「今からお祖母様にお伝えして、後程仮婚礼をするから、少しここで待っててくれよ」
「あ。お兄様」
「なんだい?」

 部屋を出て行こうとするタンム卿を、ローゼルが呼び止めました。

「あの……リアンには……」
「ああ。リアンは、今日帰る事になったよ」
「え……では、今すぐ謝罪を」
「ローゼル」

 タンム卿にリアンの帰郷を知らされて慌てるローゼルに、父である領主様が言いました。

「お前は……お前達は、リアンには会わなくて良い。それは、リアン自身の希望なのだ」
「そんな」
「ロゼ」

 父に言われた事に対して何か言おうとしたローゼルを、兄が遮りました。
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