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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
(……子作りにゃあヤリ過ぎぁ逆効果だって、前から聞いちゃあいやしたけどもっ……)
仲良くし過ぎると逆に身籠もり難いという話や、身籠もるのに向いている体位の話、致した方が良い時期の話などは、昔から使用人仲間の女達の間では、人気のお喋りのネタでした。
特に、ヤリ過ぎは宜しくないという件は、身近にサクナとスグリというヤリまくってるのに出来ない実例までしっかり居るので、身籠もりたいなら気を付けるべき……なのかもしれないのでは、ありますが。
(俺ぁ……俺って奴ぁ、お孫さんが毎日毎時毎分毎瞬美味そう過ぎて我慢出来なくって、毎日ヤリたい放題シまくって、あんあん言わせまくってんでさあっ……!!)
子作りの為に致すのを控えたり体位を制限したり致すべき時期を計ったり等という知的で理性的で計画的な真似は、ビスカスには全く縁の無い事でした。
(そーいう事ぁリュリュのが得意なんじゃねーかと思うんですが……がっ……がっ、がっ……!)
ビスカスは、最近のある一日の終わりについて思い出し、大奥様に対して後ろめたい気持ちで一杯になりました。
*
「ただいま、リュリュ。……お帰りなせえ」
「ただいま、ビスカス……お帰りなさいっ……」
二人一緒に夫婦の部屋に入ると同時に不思議な挨拶を交わしながら、ローゼルはビスカスに抱き付きました。
結婚の準備だけでなく、後継者として教わらねばならない事や公務が増えてきたので、前より多忙になっておりました。
「疲れたの、ビスカス……」
「はいはい、ほんっと、お疲れですねー?着替えて、早く寝やしょうねー」
「……や。」
甘えて擦り寄ってくるのをぎゅっと抱き、よしよしと撫でながら言ったというのに、ローゼルはむうっと膨れました。
「嫌って、リュリュ……お疲れなんでしょ?」
「疲れたわよ。疲れたから、リュリュにいっぱいくちゅくちゅしてっ」
「……リュリュっ……」
くちゅくちゅ、というのは、いつの間にか二人の間では、閨でいちゃいちゃ仲良くする事の隠語の様になっておりました。
普段は気品溢れる怜悧な美しさを漂わせているローゼルが、二人きりの時にべたべたくっ付いて甘えて来ながら「くちゅくちゅしたいの」などと稚げな事を口にするのは、何度聞いても卒倒しそうにぞくぞくと魅惑的でした。