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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
「……ねぇ……だめ?ビスカス」
「だめっ……じゃ、ねーです……っ」
大抵は、あれこれとお強請りされながらいつの間にか二人とも服が脱げていて、押し問答なのかじゃれ合いなのか端から見たら胸焼けしそうないちゃいちゃが行われた末に、最後にはビスカスが涙目のローゼルに留めを刺されて折れて本格的に房事に雪崩れ込む……というのが、二人の夜の流れの一つでした。
他にも、お強請り抜きで抱き上げて即寝台行きとか、寝台に行き着けず服も脱げずに長椅子でとか、ローゼルの入浴を手伝っていた筈が何故かヤッちまっておりましたとか、よくまあこれだけ様々な場所と状況でお出来になるものですねと感心されそうな仲良し振りです。
そんな風にビスカスもローゼルも閨での箍はすっかり外れておりましたので、子作りの為に致す事など、頭を過りも致しません。
二人共初めて同士で体の相性がよろしかったので、汲んでも汲んでも尽きぬ甘露の泉を、競い合って喜び勇んで汲み出している様な物でした。
(……こんなに毎日毎日乳繰り合ってちゃ、種ぁ蒔いても根付く暇なんざねーかもなーって、思うんですけどっ……)
日中ふとした時には、そう思ったりもするのです。
思うのですが、二人になると、止められません。
(大奥……じゃね、御義祖母様……すいやせん、俺ぁ見た目だけじゃなくって、あっちの方も、猿だったんでさ……)
「ビスカス?」
「へ……ぁいっ!?」
桃色なのに思い出せば思い出すほど頭も一物も土下座したくなる様なローゼルとのあれこれに思いを馳せていたビスカスは、名前を呼ばれてびくぅうううっ!と致しました。
「……頼むわね?」
あらゆる荒波を乗り越えた年月がご尊顔に皺となって刻まれている大奥様は、何もかもお見通しという様に微笑みました。
「……畏まりましたっ!!」
型通りの問答と挨拶が、行われる前に。
ビスカスは二つ折りになりそうに深々とお辞儀をしながら、今後のくちゅくちゅは計画的に……!と、心に刻みつけたので有りました。