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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
「義理と言っても、私は貴女の母ですよ?母親が認めなくとも、結婚すると言うの?」
「……っ……」
それを聞いたローゼルは、遂にふらりと崩れそうになりました。ビスカスはそれを抱き留めて支えると、手近の椅子に壊れ物を扱う様な慎重な手付きで座らせました。
「どうしても結婚したいのなら、この家と縁を切る事ね。出て行くのは私では無く、あ」
「お止しなさい」
年を経ても威厳と張りを失わない声が、辺りを払いました。
奥方様を一言で黙らせた大奥様は、自分の息子とその配偶者に、目を向けました。
「あなた方?貴男の再婚の……貴女の嫁入りの挨拶の時、私の言ったことを、憶えているかしら?」
「……私達の……結婚の、挨拶……?」
「……憶えていないかしら?無理も無いわね、もう何年も経つものね……」
大奥様は軽く溜め息を吐きながら呟くと、口調を居並ぶ一同に聞こえる位のはっきりしたものに変えました。