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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
*
「お加減は、大丈夫ですか?お疲れじゃねーですか?」
親族のみの式を終えたビスカスとローゼルは、親しい人々への結婚披露の式までの間、新郎新婦の為の控え室で休んでおりました。
「……これを以て、二人の正式な婚姻が認められた。結婚の儀は、以上だ。おめでとう、ローゼル、ビスカス」
「おめでとう」
「おめでとうございます」
領主様の言葉に列席の面々もそれぞれに祝いの言葉を口にして、親族による婚姻の儀式はお開きになりました。
「ありがとうございます」
「有り難う御座います」
踊り納めた二人は、並んで手を繋いで晴れ晴れとした笑顔で見詰め合い、自分達を祝う為に集まってくれた人々にお辞儀しました。
そして、列席者より一足先に広間を辞して、この部屋に下がって来たのです。
「……大丈夫よ、ありがとう」
夫の手を借りて椅子に腰掛け、頬に口づけを受けながら、ローゼルはほがらかに笑いました。
「私より、ビスカスの方が疲れたのじゃないかと思うけど?」
「あー……さいですねー、いろいろと焦りやしたねー」
ビスカスは頬に口づけを返されながら、妻の指に嵌まっている薔薇の指輪を撫でました。
「特に、こいつが転がりやがった時ぁ、頭ん中が真っ白になりやした」
「リアンや御義母様に、色々言われた時よりも?」
式の事を思い出し、くすくす笑いを漏らしながら、ローゼルは夫の首に両手を回しました。
「リアンさ……リアンや御義母様のお気持ちぁ、俺のせーじゃねーですからねー。でも、こいつが転がったなぁ、明らかに俺のせーですもん。」
「緊張したのね、ビスカス」
ローゼルはちゅっと音を立てて、どうやら反省しているらしい可愛い夫に口づけました。