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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
*
「新郎新婦が、お見えになりました」
ビスカスとローゼルは、家令に伴われて、控え室から広間に戻って参りました。
広間の入り口でお辞儀して、顔を上げた二人の目には、二人を祝う為に沢山の人々が集まってくれておりました。
広間に集まった人々は、いつもに増して輝いているローゼルの美しさに、溜め息を吐きました。
(……本当に、とっても、綺麗……!!)
居並ぶ女達と、乙女の心を持つ男約一名は、真珠色の光を発している様にも見えるたおやかな水晶の薔薇に、うっとりと見惚れました。
二人は、集まった人々からよく見える位置に立っている領主様の前に歩みを進め、会釈して頭を下げたままそこに控えました。
「お集まり下さいました皆様。この二人は、先程親族からの許しと祝福を受け、正式に婚姻を結びました。これから皆様に二人が夫婦となった証を披露し、ご承認を頂きたいと思います。……ローゼル。ビスカス」
「はい」
「はいっ」
「皆様に、誓いの言葉を」
「かしこまりました」
頭を垂れていたローゼルは、纏っているレースの薄衣をふわりと捌いてお客様に向き直ってお辞儀をすると、頭を上げて広間の中をゆったりと見回しました。