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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
「私、水晶の薔薇ローゼルは」
ローゼルはそこで言葉を切ってビスカスを見ると、口元を微かにほころばせました。
「……命有る限り貴方を敬い、仕え、愛する事を誓います」
「っ!?」
(リュリュっ……誓いの言葉が、違ぇ……)
『あなた、まだ私のこと、お仕えするお嬢様だって思ってるのじゃなくて?』
『あなたが居なくなったりしたら、長生きしたって淋しいだけじゃない』
ビスカスの頭の中を、先程控え室でローゼルに告げられた言葉と、その後の濃密なじゃれ合いのくらくらする様な甘さが甦りました。
(ビスカス)
聞かされた思わぬ誓いの言葉に驚き過ぎて無言になったビスカスの名を、ローゼルが小さく呼びました。我に返ったビスカスは、慌てて口を開きました。
(……落ち着いて?)
ローゼルの口の動きを読んだビスカスは、小さくこくこく頷くと深呼吸をして、もう一度口を開いて、誓いの言葉を宣いました。
「私、ビスカスは……」
(俺が生きてる限りじゃなくて……もし、あんたより先にこの世を去ったとしても)
「……貴女の命の有る限り、貴女を敬い、仕え、愛する事を誓います」
二人は、顔を見合わせて微笑んでゆっくりと、厳かで短い口づけを交わしました。