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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
「すごい……!すごいわ、ロゼも、ビスカスさんも……!!」
途中たっぷりと色香を振り撒いた踊りは、いっそ天真爛漫と呼べそうな、可愛らしいお仕舞いを迎えました。
ローゼルは嬉しげにビスカスに抱き付き、ビスカスもローゼルを抱いて持ち上げて、そのまままたもやくるくる回って笑い合っております。
それはまるで、愛する人と結ばれる純粋な喜びと、二人で歩く未来への希望が、抑えても抑えても溢れ出してしまう……と、いう様でした。
「ロゼったら……きっと、この世で一番くるくる回った花嫁だわね……!」
あんなに回っても薄衣でぐるぐる巻きにならないのは何故だろう、とスグリは感心致しました。
抱き合った新郎新婦はくるくる回るのを止め、軽く口づけを交わしました。それすらも列席者達の目には、初々しく微笑ましく映りました。
もう一度お辞儀をしたビスカスとローゼルは、腕を組んで広間の出口の方に向かいました。
「今から中休みだ。さっさと控え室に戻るぞ」
「……へ?中休み?」
「ああ。新郎新婦が宴席まで休憩するから、招待客も休憩だ。お前、さっきむずむずしたんだろ?」
「えっ……」
楽しげなローゼルとビスカスの様子で、すっかりむずむずを忘れかけていたスグリは、頬を染めて口籠もりました。