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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
「……っリュリュっ……」
「はい」
「間違ってたら、すいやせん。……間違ってたら、俺を煮るなり焼くなり、お好きになさって頂いてっ、構わねぇんですけどもっ」
「ええ」
「……まさかっ……その、腹にっ……」
「……そうなの。出来たんじゃないかと思うの……」
「!!」
「……ここに……赤ちゃん……」
「……!!!!」
お腹の上でそっと両手を重ねたローゼルを見て、ビスカスは完全に固まりました。
(……何やってたんだ、俺……!!……人んちの事言ってる場合じゃあ、ねーじゃねーかよ……!)
従姉弟のおめでたに驚いている場合では、有りませんでした。
自分達も、おめでただった……かもしれないのです。
「明日の午後、ちゃんと診て貰おうと思ってるのだけど……一緒に、居てくれる……?」
「…………ったり前でさあっ……!!」
固まっていたビスカスは無理矢理言葉を絞り出し、ローゼルをぎゅうっと抱き締め……かけて、またはっとして、恐る恐るふんわりと抱き直しました。
「でかした、リュリュ……!」
「でかしたわね、ビスカス……!」
自分にこてんと体を預けてくる妻の髪を撫でたり口づけしたり頬擦りしたり、ビスカスはにわかに忙しくなりました。
「……あっ!」
「え?なに?」
夫の優しい愛撫を夢心地で受けていたローゼルは、突然上げられた声を訝しみました。
「じゃあっ、それじゃあ……さっきあんな風に思いっ切り踊ったりなんかしちゃ、ダメだったんじゃねーですかっ!!」
「ダメじゃないわよ?」
突然半泣きになったビスカスに、ローゼルは微笑みました。
「そんなに気にしなくたって、大丈夫よ。そんな事言ってたら、なんにも出来やしないでしょう?」
「でも……俺ぁ、リュリュを、あんなにぐるんぐるん回しちまってっ……!」
「大丈夫だって、言ってるでしょ?」
ローゼルはくすりと笑って、眉を寄せました。