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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第11章 器用さの問題
「おーい……俺に似ねーで産まれて来いなー?」
「ふふっ……お父さんの言うことなんか、聞かなくっても良くってよ?」
「おとっ……」
ビスカスは絶句して真っ赤になり、その場にへにゃへにゃとへたり込みました。
「どうしたの?大丈夫、ビスカス」
「や、でーじょぶですっ……どーも、してやせん……ちょっとずつ、慣れなきゃいけねーこってすからっ……」
熱くなった顔を抑えながらどうにかこうにか立ち上がったビスカスは、ローゼルの頬に口づけました。
「さっき、仰ってやしたけど……赤ん坊が俺に似ちまっても、良んですかい?」
「ええ、勿論よ!どっちに似ても、絶対可愛いもの」
「そりゃあ、ぜってぇ可愛いにゃあ、決まってやすけども……」
ビスカスは、朝の淡く柔らかな光の中で泣きもせずに自分をじっと見て笑った、生まれたての赤ん坊の澄み切った目に魅せられた日を、思い出しました。
「……リュリュ以上に可愛い赤ん坊なんざ、後にも先にも、居やしねーですよ……」
妻の手を取って、甲と指輪に恭しく口づけました。
「何度も、誓いやしたけど……俺ぁ、あんたが生まれ落ちた時から、永遠に、あんたのもんです」
「……私も。私も、ずうっと、あなたの物よ」
二人はどちらともなく唇を重ね、気持ちが溢れて来るがままに、しばらく口づけ合いました。