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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第3章 オレンジの問題
「本当に、済まねえ」
「や、俺が勝手申し上げただけなんで……今更ですし、お気になさらねぇで下せえ」

 ビスカスは、潔く諦めました。
 自分が最初に作った干し果物をローゼルに捧げたかったと思ってしまう気持ちはまだ有りましたが、無い物は無いのです。一度手離したのは自分なのですから、致し方有りません。

「代わりと言っちゃ何だが……代わりにゃあならねぇだろうが、こいつを持って帰ってくれ。こいつも祝いだ、代金は要らねえ」
「いえ、そんなにして頂いちゃ」
「とりあえず今日の所はローゼルと二人でこれ飲んで、また休みん時にでも作りに来い。スグリが帰るまでなら、いつでも良いぞ」


     *     *     *
 
 
「戻りやしたー……あ。」

 結局ビスカスは、酒と干し果物を持たされて、サクナの屋敷を後にしました。
 ローゼルの部屋に帰って来ると、ローゼルが長椅子ですうすう眠っておりました。
 ビスカスはそっと部屋に入ってずれかけているブランケットを直し、ローゼルの寝顔を眺めました。

 今朝の寝床でもそうでしたが、寝顔を見ていると様々なローゼルが思い出されて、いくら見て居ても見飽きません。
 小さい頃の素直なローゼル、思春期によそよそしくなったローゼル、暴君の様なローゼル、冷ややかなローゼル、分かりにくい優しさをちらっと見せてくるローゼル、泣いているローゼル、微笑んでいるローゼル、大輪の花を思わせる気品と威厳と自信に満ちた美しいローゼル。
 そして昨日、自分の愛撫に戸惑いながらも素直に応えてくれた、艶やかなローゼル……ぼーっとそこまで考えたビスカスは、赤くなって口元を抑えました。
 これ以上ここに居ては、何かと宜しく無さそうです。
 ビスカスは音を立てない様に長椅子から離れ扉を開けて部屋を出て、はーっと息を吐きました。
 そして、いくつか用事を済ませる為に部屋の前を離れたのでした。


     *     *     *


「……んー……」
「お目覚めですか?」

 ローゼルは、鼻をくすぐる芳しい香りに、ゆっくりと目を開けました。

「お帰りなさい……」

 そこに居たビスカスに微笑んで手を伸ばすと、ビスカスはくすりと笑って一度ローゼルをきゅっと抱き締めて、長椅子の上に抱き起こしてくれました。
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