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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第3章 オレンジの問題

「ありがとう……!一生、大事にするわ!」
「や、一生ってなぁ……そのうちカビたり虫が湧いたりすんじゃねぇですかっぐぶっ」

 喜ばれ過ぎた照れ臭さも手伝って半分本気の軽口を叩いたビスカスは、ローゼルにむぎゅっと手荒く頬を潰されました。

「馬鹿っ!!そんなもの湧かないわよっ!私の大事なオレンジに、失礼ね!!」
「へぇ……誠にすいやせーん……」

 ビスカスが頬を擦り擦り目を向けると、ローゼルは小瓶を目の前にかざして眺めながら、真底嬉しげににっこりと笑っておりました。
 それが余りにも可愛かったので、ビスカスは衝動的にローゼルに口づけ、二人はそのまま、口づけを交わし合いました。

「……ビスカス?」
「……何ですか、お嬢様」
「……初床のやり直しをしたいの……」

 妻でもある主に恥ずかしげに強請られたら、断るのは困難です。ビスカスは了承の意味を込めてローゼルの耳元に口づけながら、オレンジのドレスのボタンに手を掛けかけて、はたとある事を思い出しました。

「お嬢様っ、ちょいとお待ちを」
「……お前は、いや……?」

 夫のシャツのボタンを外しかけて止められたローゼルは、吐息混じりに囁きました。
 ローゼルの言葉に耳を擽られ、不安や羞恥、欲望や期待に揺れる目を向けられたビスカスは、座って居るのにくらっとしました。

「滅相も無ぇっ……嫌だなんて事ぁ全然全くこれっぽっちも無ぇんですけど、すいやせん、今ぁこれ以上は、ちょっと」
「どうして?」
「お嬢様がお寝みの間に、荷物を廊下まで持って来ちまったんでさあ。早く部屋に入れちまわねぇと……」

 廊下に荷物を置いたまま時間が経ってしまったら、誰が怒鳴り込んで来るか分かりません。
 二人は少しの間沈黙しましたが、やがて名残惜しそうに渋々腕を解きました。

「……荷物、片付けなきゃね……」

 ローゼルは甘い溜め息を吐くと、冷めかけたお茶を一口飲みました。

「お茶を頂いてしまって、荷物を入れて、ついでに荷解きしちゃいましょ」
「ありがとうごぜぇやす。畏まりました。……お嬢様?」
「なあに?」
「その……さっきの続きぁ、また夜に」
「……ええ。また夜にね」

 オレンジが香る暴君は、ビスカスが立ち上がろうとするのを止めました。そして、先程自分が痛い目に遭わせた両頬に一つずつ、有無を言わさぬ服従を誘う口づけを落としました。
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