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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第5章 慣れの問題
「ビスカス?どうしたの?」
しゃがみ込んだビスカスを見て、ローゼルは自分も傍らにしゃがみ込みました。
「……や……間違ってるかも、しんねーんですけど」
「え?」
「お忘れかもしんねーし、ですね」
「ええ」
「『何よそれ。』って言われるかも、しんねーんですけども」
「……何て言われたって言わないわよ、そんなこと」
顔も伏せていたビスカスは、ローゼルの声に期待の色が混じり始めた気がして、顔を上げました。
するとそこには、頬も唇と同じくらいのスモモ色に染めて目をきらきらと輝かせ、そわそわこちらを覗き込む、子どもの様なローゼルが居りました。
(ああああああああああクッソ可愛いっ!!……恥ずか死んでも本望ですぜ……!!!!)
何か吹っ切れたビスカスは、思い切って口を開きました。
「りっ……リュリュっ……」
「なあに、ビスカスっ!!」
口にした途端に飛び付かれて抱き付かれ、抱き止めて転びそうになるのを堪えたビスカスの顔は、ローゼルの大き過ぎず小さ過ぎずの程よい胸に埋まりました。そして、耳が音を拾うのと同時に、その胸越しにも弾むような喜びの振動が伝わって来ました。
「私の産まれる前からの名前、ちゃんと憶えててくれたのね!」
「へえ、勿論……でも、この年で呼ぶなぁ、かなーり、恥ずかしいもんですねー……」
ローゼルは抱き締めていた手を緩めてビスカスを見下ろすと、むっと唇を突き出しました。
「どうして?私は、凄く嬉し……」
ビスカスは、不服そうに突き出された唇を啄んで舌で擽り、微笑みの形に開かれた所で唇を合わせて、心行くまでスモモの様な唇を味わいました。
「…………お母様が亡くなって、お前も護衛になってからは、誰も呼んでくれなくなって……忘れたんだと思っていたわ」
「……忘れるわきゃ、無ぇでしょうが……」
ローゼルはまたビスカスをきゅっと抱き、髪に口づけて頬擦りしました。その背中をゆっくりと撫でると、幸せそうな溜め息がビスカスの耳を擽りました。
「お嬢様の……リュリュの事ぁ、俺ぁ何一つ忘れたりなんか出来やしねーんですからねー」
「ふふ……大好き、ビスカス……ぁ……」
ビスカスは、目の前にある見事な曲線を描いている鎖骨の窪みに口づけて、そこから少し下がった所にある、素晴らしく美しい胸の谷間に頬擦りしました。