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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第5章 慣れの問題
「……夕飯なんて、食べられるかしら……」
ふうっと息を吐いて呟くローゼルに頭を抱き込まれながら、ビスカスはある事を思い付きました。
「リュリュ?」
「なあに?」
「……俺のしてぇ様にしても、良いんですか?」
「ええ。……え?」
ビスカスはローゼルを抱き上げて立ち上がると、膝に乗せる様にして椅子に座りました。
「……俺ぁ、お洋服をお脱がしするのが、下っ手クソなんでさあ」
「ええ。知っていてよ?」
「ですんで、今からお脱がせしてたら、お食事になっちまって、イケねー事になると思うんでさぁねー」
「……そうね?」
「ですんで、」
ビスカスはローゼルの耳元に唇を近付けると、何やら囁きました。
「なっ……!!……あなたっ……」
ローゼルは驚きの余り目を見開いて、ビスカスの膝から飛び退きました。
「……あなた、やっぱり、変態っ……!!」
変態かどうかは分かりませんが、ビスカスが囁いたのは、確かにビスカスの蓄えた下ネタコレクションの中から取り出した妙案でした。
「違いやす!違いやすって!俺ぁ別に、こうしたままでお夕飯になったって、ちゃんと美味しく頂けんですからねー?……でも、大事な奥様が食欲が無いって仰るもんで、一生懸命頭ぁ捻ったんでさぁねー」
「……だって……でもっ」
怒られた犬の様に哀しげにビスカスは訴えましたが、ローゼルは先程の提案に動転したまま、おろおろしています。
ビスカスは夫の義務として、戸惑う妻の背中をそーーーーっと押してやることにしました。
「リュリュ?」
「何っ」
「洗濯屋に出したドレスの話、憶えてやすか?」
「それが何っ」
「……つまり、俺がさっき言った位の事ぁ、スグリ様だってヤってなさるってこってすよねー」
「!!!!」
ローゼルは「スグリ姫もヤってる」と聞いて、衝撃を受けました。洗濯屋に頼んだドレスが本当にサクナからの預かり物だとしたら、全くビスカスの言う通りです。
(……もしかしてっ……皆、やっている事、なのかしら……?)
スグリ姫がヤっているからと言って皆がやっているかどうかは甚だ疑問ですが、色事についての知識の少ないローゼルは、素直にそう思い込みました。