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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第6章 仲直りの問題

「ロゼは、どうしてる?」
「相変わらずのご機嫌でさあ。……お淋しいんだと思いやす」
「そうか……」
「タンム様からも、時々お嬢様に気晴らしさせて差し上げちゃあ頂けやせんか?部屋に籠もりがちなのがどうにも心配で」
「お前が誘って駄目なんだったら、僕が誘っても無理だろう」
「や、そんな事ぁ……お兄様なんですし」
「分かってるだろ。僕と兄さんでは駄目だよ、ビスカス。癇癪持ちの妹に付き合い切れなくて、ずっとお母様とお前に任せて放ったらかしだったんだ。お前の方がよっぽどロゼの兄さんらしいよ」
「……無責任な言い草ですね」
ローゼルの事をきちんと考えて居るのか居ないのか分からない、人を煙に巻く様なタンムの返事に、ビスカスは腹を立てました。
「いつも放ったらかしでも、構わねぇんですよ。でも、今お嬢様がどれだけお淋しいか、お分かりですか?奥様がお亡くなりになってすぐの方がずっとマシでした、きっと気ぃ張ってらっしゃったんでしょうね。お嬢様ぁ、今お辛いんです。どうしていいか分かんなくって、自棄になってらっしゃんですよ。そういう時くれぇ優しくして差し上げたって、罰ぁ当たんねぇんじゃねぇですかい?」
「……ビスカス……お前……」
ビスカスが怒りに任せてまくし立てると、タンムは面食らった顔になり、その後何故かふっと笑いました。
「……お前、ちょっと余所に行ってた間に、すっかり口が悪くなったなあ」
「タンム様!今そんな事言ってんじゃ」
「分かってるよ。ありがとう、ロゼの事は気を付ける。兄さんとお父様にも、それとなく伝えるよ」
「ありがとうございやす。そうお願いできりゃあ、安心でさあ」
「……だけど、ビスカス」
ビスカスがお辞儀をして庭から立ち去ろうとした後ろ姿に、タンムは声を掛けました。
「……へい?」
「お母様が最期にロゼを託したのは、お前だったんだ。お父様でも僕達兄弟でも無くってね。それは、忘れないで居てくれよ」

