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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第6章 仲直りの問題
* * *
「はい?」
部屋でぼーっと横になって天井を見ていたビスカスは、扉が叩かれる音に応えました。
「お早う、ビスカス。ご機嫌は如何かな?」
「タンム様!」
「起きていても、大丈夫か?食事も取らないといけないだろうが……気になっているだろうし、お前が倒れている間の事を先に説明しに来たよ」
あの日。
発作を起こしたローゼルを連れて館に帰り着いたビスカスは、迎えに出たタンムにローゼルを渡すと、そのまま昏倒しました。興奮していたのと気が張っていたのとで本人は余り大事だと思っておりませんでしたが、ビスカスが思っていたよりも、怪我は酷い物だったのです。
そのまま眠っては起きてローゼルを案じては暴れて眠らされるという手の焼ける怪我人として二日程過ごしたビスカスは、今朝になってやっと正気に戻っておりました。
タンムの話では、その間にあの男との間での話し合いが持たれたという事でした。経緯は明らかにされませんでしたが、別宅は手離す事になり、二度とこの界隈に現れる事は無くなるだろうと言う事です。
それを聞いたビスカスは、もっと制裁を加えて置くべきだったと思いましたが、あの状況ではどうしようも有りません。今更考えても仕方が無いので、ローゼルの前に二度とあの男が現れないのならそれで良しと諦める事にしました。
そして、ビスカス自身の怪我については。
「お前の怪我は災難だったが、家に無断で踏み込んだって言うのがな……相手の罪を問うとしても、そこを突つかれると厄介だ」
「俺の怪我なんざ、無かった事にして下すって構わねーですよ」
ぼやくタンムにビスカスは事も無げに言いました。
「いや、無かった事に出来る様な怪我では無いだろう」
「それじゃあ、別に誰のせいでも無ぇって事で構わねーですよ。俺が勝手に怪我したって事で」
「それは」
「お嬢様がなんとも無ぇなら、後ぁどーでも良いんでさあ。この怪我も、言ってみりゃあ俺の不注意ですし」
それを聞いたタンムは、眉を顰めました。ローゼルと一緒に居たビスカスが素人相手に怪我を負ったなら、その原因はビスカスである筈は有りません。しかし、それを指摘した所で、ビスカスは認めはしないでしょう。
「……お前がそう言うなら、そう言う事にして置くよ」
タンムはビスカスに聞こえる様な、大きな溜め息を吐きました。