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初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第7章 大きさの問題
「っすげー良いですね、それ!スグリ様にゃあ、本当にぴったりです!」
慌てて同意すると、ローゼルはビスカスをきっと睨み付けました。
「今、違うこと考えてたでしょ。」
「え!いや、違いませんって!ほんとにぴったりだって、思ってまさぁね!」
「真面目に考えてって、言ったじゃないの……」
ローゼルは広げて見せていた手巾を手の上で丁寧に畳みながら、拗ねた様に呟きました。
「スグリ様には、私達二人とも、ご心配お掛けしたんだもの。サクナ様がお手紙で伝えて下さったみたいだけど、お会いしたら感謝の気持ちを、ちゃんとお伝えしたいのよ」
「……お嬢様……」
「お嬢様じゃ無いでしょ、あ・な・た?」
「っぐふっ」
輝く様な笑顔のローゼル、子どもの様にはしゃぐローゼル、膨れるローゼル、叱りつけて来るローゼル、拗ねるローゼル、いじらしいローゼル、甘えるローゼル……という、誰もが愛でずに居られない美人妻フルコースの様なローゼルを見せられたビスカスは、無駄な抵抗を止めて全て正直に吐く事にしました。
「すいやせん……実は、ずっと、見蕩れてやした……」
「え?」
「すんげー、可愛いですっ……可愛すぎてローゼル以外の事が頭に入りやせん……!」
「えっ……」
ビスカスの絞り出す様な呟きを聞いたローゼルは、ぱあっと頬を赤らめました。その恥じらう姿には、美しさだけでなく仄かな色香も滲み出ておりました。それに当てられて、ビスカスがくらっとしただけでなく、店の空気までそわそわと浮き足立ちました。
「これにするわ。包んでもらってくるから、待ってて?」
「……あ、俺も、一緒に」
「大丈夫よ、混んでるもの……外で待ってて」
ビスカスの言葉に満足し、品物を決めたらしいローゼルは、そう言い残すと客が並んでいる帳場に向かって行きました。
混んでいる場所に付いていくのは遠慮するとしても、ローゼルを一人にして店を出られる訳が有りません。ビスカスはそのままそこに立ってローゼルを目で追い続けて居ましたが、客の三分の二くらいは同じ様にローゼルを見ていることに気付きました。
(お嬢様……また、こんなに崇拝者を増やしちまって……!どーすんですかい……!!)
ビスカスは心の中で地団駄を踏みながら、身悶えしました。