この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
初めて女を抱くらしい私の護衛に甘やかされ過ぎて困っています
第7章 大きさの問題
「さいですか……ありがとーごぜーやす……」
「そうだわ。ローゼル様、グラスをお持ちになってたけど」
「え」
「一個だけだったから、ビスカスも持っ……あらまっ」
ビスカスは疾風の様に館の中を駆け抜けて、ローゼルの部屋まで駆け上がり、扉を恐る恐る開けました。鍵は掛かって居なかったので、拒絶されては居ない様だと少しほっとしました。
「ローゼル?……お嬢様ー?……リュリュ?」
部屋を見回してみましたが、ローゼルは居りません。
その代わり、酒瓶が何本かテーブルに並び、先程着ていた外出着のドレスが椅子の背に掛かって居りました。
(ああああ、やっぱりお飲みになりやがってんのか!!しようがねーお嬢様だぁねえ!!)
寝室との間の中扉をそーっと押すと、こちらも施錠はされていない様ですが、ローゼルの姿は見えません。
(……お召し物、脱いじまってらっしゃいやがったな)
ローゼルがどんな姿で居るのか分からないので、念の為内側から鍵を掛けました。寝室の中を見回すと、またもや酒瓶がテーブルに並んでおります。
「おじょーさま?……リュリュ?」
小さな声で、呼んでみました。
ビスカスの方からは背もたれしか見えない長椅子の上で、何やら蠢いている気配がします。
その向こう側に、抜き足差し足でそーっと回り込むと。
「リュリュっ?!」
「……なに。」
「うっ……!!」
ビスカスが恐る恐る覗き込んだ長椅子の上には、グラスを手にして半分寝転がっている、しどけない姿のローゼルが居りました。
「飲みやしたね!?」
「もちろん、のんだわよ?わたし、おまえとちがって、のめるんだもの!いまだって、のんでることよ?」
(ぐうぅぅっ……!!なんなんだよ俺の嫁ぁ……!!)
ふふん、と得意気に言うローゼルに、ビスカスは悶絶しました。酒のせいかローゼルは、怒っているのに舌足らず、という絶妙な口調になっています。
その上。
ローゼルは、ビスカスの見たことの無い物を身に着けて居りました。
「リュリュ?その格好は、なんですかい?」
「あら、しらないの?ビスカスったら、なーんにも、しらないのねーえ!」
ローゼルは長椅子の上に起き上がりビスカスの方を向くと、ふんっと鼻息荒く胸を張りました。