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セイドレイ【完結】
第13章 独りぼっち
そして翌日の放課後──亜美は備品倉庫で本山からスマホを手渡された。
初めて手にしたそのスマホは比較的軽量なものであるが、亜美はその重みを感じていた。
本山から簡単に操作説明を受ける。
そのほかもろもろの注意事項として、絶対に他人に番号やアドレスを教えないことや、必要のないときは電源を切っておくことなどを告げられた。
「先生、あの…──」
「なんだ?」
「その…私の動画が投稿されていたサイトなんですけど…あれはどうやったら見ることができますか?」
「は?そんなもん、自分で見てどーすんだ?もしかしてそういう趣味か?まさかそんなことのためにスマホを?!」
「ちっ、ちがいますっ!そうじゃなくてっ…」
亜美が顔を真っ赤にして否定する。
こんなに表情豊かな亜美を見るのは初めてかもしれないと、本山は思わず見とれてしまう。
「──冗談だよ。ほら、ちょっと貸してみろ」
本山は亜美のスマホで、例の動画投稿サイトを検索した。
『セイドレイ』
──それがサイトの名前だった。
「このサイトはな、利用するには『アカウント』ってやつが必要なんだ。そうすればサイト内の動画を見ることができて、有料ダウンロードもできるようになる。──が、面倒だから購入はするなよ。有料のやつは15秒~30秒くらいなら無料サンプルが見れるから、そいつで我慢しろ」
「ちなみにこれって…私の動画を私が消すことはできないんですか?」
「はは、そいつは無理だ。動画を投稿したアカウントにしかその権限はない。つまり、お前の "ご主人様" にしか消せないってことだよ」
「なるほど──」
「しっかし、相変わらずお前、1位2位独占だな。お前の動画で一体どれだけの男がセンズリこいたんだか…」
あれ以降、新しい動画はアップされていないようだ。
亜美は、これまでの人生でまったく縁がなかったアダルト動画サイトの仕組みを理解しようとスマホの操作に夢中になる。
しかし──。
「あっ…」
本山が手のひらで、スマホの画面を覆い隠した。
「──さ、とりあえずここまでだ。時間もあまりない。約束だろ?今日はハメ倒してやる」
「はい…」
「そこの壁に手をつけ。そんで先生にケツを向けろ──」