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セイドレイ【完結】
第15章 見えない敵

亜美にとって、こんな都合の悪いことはない。
ほぼ毎日、放課後は本山に呼び出されており、備品倉庫に向かう学校の敷地内でさえ、誰にも見つからぬよう細心の注意を払っているのだ。
できるだけ早く本山を射精させ、帰り道の公園のトイレでそれを排出し、あとは時間が許す限り、スマホのチェックも兼ねてトメの家で過ごしたいのに──。

亜美が自由にできる時間は、通学路のたった約1キロの道のりだけなのだ。

二学期に入り、クラスメイトたちは亜美のことを無視こそしなかったものの、以前と比べて積極的に話かける者はいなくなっていた。
何度誘っても断り続ける亜美に、いよいよ諦めがついたのだろう。
そしてそれは、亜美にとっては秘密を守るうえでむしろ好都合だった。

しかし今日転校してきたばかりの貴之は、そんなクラスの事情などお構いなしである。
もちろん本人に悪気はなく、早くクラスに馴染むためのきっかけを探しているだけなのだ。

なのだが──だからこそ、亜美は迷う。
断るのは簡単だが、近所というのがなにより厄介だ。
通学路が同じということは、今後どこでなに見られるかも分からない。

「──ご…ごめんなさいっ…!」

「え…?あ、ちょっと待っ…────」

亜美は急に席を立ち、貴之を振り切るように慌てて教室を出ていってしまう。


(ごめんなさい…無理なの────)



「──じゃあ約束どーり、返してやるかなぁ」

備品倉庫。
今日もたっぷりと膣内射精をした本山は、愛液にまみれたペニスを亜美から取り上げたショーツでぬぐい、床に横たわる亜美の顔に落とした。

「あ、ちなみに昼休みにお前のパンティでセンズリこいちまったから、カピカピになってるけど気にすんなよ?へへっ」

飾り気のない真っ白だったショーツが、本山の乾いた精液で黄ばんでいる。

「そうれはそうと…。お前がやりたかったのはあんなことか?だとしたらあまり意味がないぞ」

「──どうして…?」

「ネット上に一度でもアップされたもんは、たとえ元を削除してもコピーされて半永久的に残り続けるもんだ。だってそもそも、あれをダウンロードしてる奴がいる時点でそういうことだからな。今アップされてるものについては諦めろ。それよりお前──」


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