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セイドレイ【完結】
第18章 踏み絵

「あ、亜美っ…!?ちょっと待ってっ…」
戸惑う貴之をものともせず、カラダを密着させる亜美。
「私のこと…知りたい──?」
「──はぁっ…あっ!あみっ…あぁっ……だめ…汚いよ…」
「んふっ……水野くんの…おいち……」
ベッドの上で、亜美は貴之にフェラチオをしていた。
汗で少し蒸れた貴之の股間から漂う臭い──それ自体は、ほかの男たちと大差はない。
しかし相手が貴之ならば、それもなぜだか愛おしく感じる。
亜美はこの半年の間に仕込まれた舌技を、貴之のペニスに惜しみなく披露した。
片手で玉を優しく揉みながら、唾液をふんだんに使って、裏筋、亀頭、尿道を舌先で刺激したかと思えば、口に含み緩急をつけたストロークを繰り出す。
「ジュポジュポ」とわざとらしい音を立て、真綿のように柔らかい口内でペニスを包み込む──。
その極上のテクニックは、女の味を知らない貴之には刺激が過ぎた。
「──あっ……あみぃ…もうダメ…出ちゃう…よぉ…あっ!」
貴之が今にも射精する、というそのとき──。
亜美は親指と人差し指でペニスの付け根をぎゅっと掴んで圧迫した。
貴之の射精を強制的に遮断したのだ。
「んふっ、まだだーめ、だよ?」
「亜美…?」
亜美は小悪魔のような笑みを浮かべ、仰向けになる。
そして股を開き、人差し指と中指で膣口を開いて見せた。
「ここに…して?」
漫画で見た「くぱぁ…」という擬音が貴之の脳内で再生され、思わず固唾を飲む。
拡げられたワレメは、ジットリと濡れた愛液が糸を引いていた。
貴之は気がおかしくなりそうだった。
この状況に酷く興奮している自分と、それを強烈に否定しようとする自分──そのふたつが貴之の中でせめぎ合う。
「で、でも…ゴムっ!つけなきゃ……」
どうにかギリギリのところで我に返った貴之が、慌てて避妊具の装着をうながす。
「……ゴム?」
「コンドーム、しなきゃ…お、俺、亜美とのことは…真剣だからさ…。そういうことは、ちゃんと、したいんだ…」
亜美はそれを、やや不思議そうな顔でながめていた。
今まで亜美を抱いた男たちの中に、コンドームを使用した男など、ただの1人もいなかったからだ。

