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セイドレイ【完結】
第19章 風評

膣内でローター同士がぶつかり合い、振動が増幅する。
「らめっ…!らめぇぇっ…ヤメて、ヤメてっ…健一さんっ…お願いっ…あっ!…イク、イっちゃうっ…!あっあっ…あぁっ!!」
健一は振動のレベルをマックスにする。
亜美は立ったまま仰け反り、カラダを小刻みに痙攣させながら絶頂を迎えた。
「──彼氏とのデートの前にイッちゃったね?」
「ハァッ…ハァッ……んっく……」
「勝手にイッたから、罰として今日はこのまま行っておいで」
「そ、そんなっ……」
「…俺、ちょっとヤキモチやいてるから」
「え…?」
「だからこれで行ってこい。分かった?彼氏もきっと喜ぶぜ──」
こうして、亜美は4つのローターを挿入したまま、貴之のマンションへと向かったのだった。
そしてその顛末は──先のとおりである。
♢♢♢
貴之を見送ったあと、部屋に戻った亜美。
床に転がったままのローターを拾い上げながら、今朝から先ほどまでの出来事を思い返していた。
今のところ、なにもかも新堂の思惑通りになってしまっている。
なんの落ち度もない貴之のことを「女の武器」を使って巻き込んでしまったことに、亜美は罪悪感を覚えていた。
新堂は今後も貴之を利用し、弱みに漬け込んでくるだろう。
最終的にはなんらかの形で貴之を失うであろうことも──亜美はもう分かっていた。
貴之はほかの男たちとは違い、亜美が嫌がることは決して強要しなかった。
それどころか、むしろ積極的に行為を先導していたのは亜美のほうである。
いくら新堂に脅されていたとはいえ、亜美はどこかで貴之に期待していたのかもしれない。
陵辱ではない、心のかよったセックス──それが貴之とならできるのではないか、と。
しかし、貴之とのセックスを終えた今、それが取り立てて "特別" であったかというと──亜美は首を傾げてしまう。
貴之に好意を抱いていることはたしかなのだが、そのこととセックスがどうもリンクしていないような気がするのだ。
相手が貴之だったから満たされた、と自信を持って言えたなら、どれほどよかっただろう。
好きな相手とするセックスは、あんな男たちとは比べものにならないと言えたなら──。

