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セイドレイ【完結】
第19章 風評

ふたりは周囲の目に気を配りながら、本屋の外に設置された「男子トイレ」の個室へと入った。

今から本当にこんな場所でセックスをするというのか──貴之は、そんな非現実的なシチュエーションに動揺を隠せない。

一方、亜美はとくに変わった様子もなく、個室に入るなりどこか "こなれた" 手つきで、ドアのフックに鞄を掛けた。

そして──。

いつまでもオドオドしている貴之の唇を、亜美はディープキスで塞いだ。
そのとろけるような感触に浸っているうち、いつの間にかズボンをずり下げられていることに貴之は気づく。
よりによって、グレーのトランクスを履いていたことを貴之は後悔した。
そこには、先走り汁によっていくつもの染みが点在していた。

すると亜美はしゃがみ込み、貴之のトランクスを脱がす。
ギンギンに勃起したペニスが威勢よく反り返るも、やはり亀頭の半分は包皮で覆われていた。

亜美のひんやりとした手が、優しく包皮をめくっていく。
亀頭が全貌を現し「モワァ…」とした臭気が狭い個室内に充満したとき、亜美はあることを察知する。


(この臭いは…──)


そこから漂うのは、汗や尿の臭いに加え、"精液" の臭いがしていた。
その証拠として、ティッシュのカスが亀頭にこびりついている。
貴之が今日、どこかで自慰をしたことは明白だった。

「ご、ごめん…汚くて…。やっぱやめよ…?」

貴之が小声でそう言うも、亜美は躊躇すらせずティッシュのカスもろともペニスを口に含んだ。

「ウッ…嘘だろ…?亜美…無理しないでっ…アッ…アァッ…」

──そのときだった。
ドアの音とともに、となりの個室に人が入ってきた。

ふたりは動きを止め、一瞬ピクリと身構える。
さすがにまずいのではないか──貴之が不安な表情を浮かべる横で、しゃがんでいた亜美が立ち上がった。

「(え…?)」

すると亜美は壁に手をつき、貴之に向けて思い切り尻を突き出してきた。
その薄い壁の向こうには人がいるというのにもかかわらず、亜美はセックスを続行するつもりらしい。

しかし、貴之が困惑したのも一瞬のことだった。
その尻を見ていると、もうなにも考えられなくなった。

貴之はたまらず、亜美のスカートをまくりあげる。
そこには、白いショーツに包まれた巨大な桃尻が、狭い個室の中で圧倒的な存在感を放っていた。

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