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セイドレイ【完結】
第20章 朔

それから数日後。
屋敷の客間にて、雅彦と新堂が険しい顔をして話し合っていた。

「──突然なにを言い出すかと思えば。雅彦よ、お前…気はたしかか?」

「契約上は問題ないはずだ。現在の会員たちにはちゃんと責任を果たす。それでもう、この商売は終わりにしたい──」

雅彦は、売春ビジネスを打ち切りたいとの旨を新堂に伝える。
それは今すぐにというわけではなく、現在の会員が入会から1年経過したタイミングで、との考えだった。
年会費として先に受け取っている分の責任は果たすが、今後の新規会員の受け付けも締め切りたい──これが雅彦の主張である。

「──心底お前には失望したよ。あの娘に情でも沸いたのか?それとも独り占めしたくなったか?」

「情なら…最初からある」

「どういうつもりか知らんが、それは無理なお願いというものだ。私がこの件にいくら投資したと思っている?それをすべて回収し利益を上げるまでは、最低でも1年はかかると最初に説明しただろう?」

「ああ。分かっている」

「分かっているならなぜだ?現にほぼ契約が成立している会員候補がもう何十人といるんだぞ?それにまだ提供していないサービスもある。そんなこと誰が納得すると思っているんだ?私の顔に泥を塗ることになるんだぞ」

新堂の言うことも頷ける。
そもそも大変なリスクを伴うビジネスなのだ。
勧誘する人物の選定から実際に会員として契約させるまでに、新堂は決して少なくない時間と労力を費やしていた。

「…とにかく、よく考えてからもの言え。お前が始めたことをお前が終わらすのは勝手だ。しかし、ならば誰の力も借りずに自分1人でやればよかったことだろう。少し頭を冷やせ」

「──悪かった。すまない」

雅彦はそうつぶやくと、うつむいて押し黙った。

「まぁ、今後のことはよく話し合おうじゃないか。私も聞く耳を持たないわけじゃあない。だが今は無理だ。いいな?」

「分かった。今のは忘れてくれ」

「よし。それはそうと…今月はどうだったんだ?生理が遅れていたようだが…ついに孕んだか?」

「あ…──いや。生理はあのあと来た。妊娠はしていない」

「そうか…。ククッ、まぁそれならそれで都合がいい。実は今考えていることがあってな────」

新堂はどうやら、またなにかを企てているようだった。

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