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セイドレイ【完結】
第21章 満月の喧騒

その後、ひとまず15名が1発ずつ射精を終え一巡すると、そこからは回復した者から各々に亜美を犯していった。

常時3~4人がひとまとまりになり、亜美を集団でマワす。
着床に関係のないアナルへの挿入も行われ、穴という穴を犯されていた。

ほかの客たちはその様子を見物しながら、用意された酒やつまみを片手に談笑している。
あらゆる肩書きを有する者たちが、"この少女を孕ませる" というたったひとつの目的のみでつながっている──と、最初こそのように見えた。

ところが──。

会員たちはみな、気づけば顔を隠していたマスクを外している。
そして自身の肩書きや地位を開示しあい、新たなビジネスの契機や強力なコネクションを作るきっかけを探り始めていたのだ。

実は、これも新堂の狙いのひとつである。
各界の若手から重鎮まで、この15名は錚々たる面子。
そんな権力者たちが、こうして互いの秘密を共有し合う──ともすれば、ここは新たな人脈を作るにはうってつけの場所なのである。

新堂はこの地下室を、裏社会の社交場にしようと目論んでいたのだ。

1人では考えつかないことも、集団になれば新しい閃きがあるもの。
それが権力者の集まりなら、なおのことである。
3人寄れば文殊の知恵、と言うように、新堂はこれを機にこの売春ビジネスに "思わぬ恩恵" があることを会員たちに印象づけることに成功した。

どんな刺激的な快楽も、やがては慣れて飽きがくる。
高額な年会費を負担する会員たちをつなぎ止めておくため、新堂はあらゆる手段を模索していた。

ただ、そんな新堂にもうれしい誤算があった。
それは、高崎亜美という少女の底知れぬ魅力──これに尽きる。

どの客も飽きるどころか、むしろ亜美を抱けば抱くほどにその魅力にどっぷりと浸かっていくのだ。
会員たちはみな、金にものを言わせた女遊びの上級者ばかりであるにもかかわらず、である。

これには新堂が一番驚いていた。
亜美は単にその容姿やカラダつきだけでは説明できない天賦の "なにか" が備わっている──そう認めざるを得なかった。

それは "強い男" を惹きつける、"女の才能" なのかもしれない。

しかしそれがなんであれ、利用しない手はない──となれば、今さら私情を挟んできた雅彦など、新堂にとってはもはや邪魔者以外の何者でもなかったのである。


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