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セイドレイ【完結】
第21章 満月の喧騒

亜美はその後も休む暇すら与えられず、さまざまな体位で犯され続けた。

華奢なカラダは男たちの集団に軽々と持ち上げられ、部屋のあちこちへ連れて行かれてはそこで犯される。
亜美をまるで荷物かのように担いだり、ベッドの上に放り投げたり、集団心理によって歯止めが効かなくなった男たちは、まさにやりたい放題──と言ったところだろう。

ホワイトボードに1つ、また1つ──と、射精回数がカウントされていく。



「(──…の野郎っ!このままじゃ…このままじゃ亜美が死んじまう…!よしっ、待ってろ亜美っ──)」

そのあまりに惨たらしい光景に、いても立ってもいられなくなった健一。
せめて亜美に休憩を取らせてやれないものかと、地下室へ乗り込むことを決意する。

──そのときだった。
モニター室のドアが開き、誰かが入ってくる。

「──親父っ!?」

そこに立っていたのは、雅彦だった。

「お、おい…新堂のおっさんはどこ行ったんだよ??てかあれ見てみろよ!いくらなんでもちょっとやりすぎだろ?!」

健一にそう言われ、雅彦は鏡の向こうに目をやった。

「もう3時間近く休みなしだぜ!?せめて休憩くらい取らせてやってもいいだろっ??」

「──健一、よく見ておけ」

「あ…?」

「これが…ワシらのやっていることだ。嫌なら今すぐここから出ていくがいい」

「なっ…なんだよ…それ…。親父はあれ見てなんも思わねぇのかよっ!?大体、親父がしっかりしねえからこんなことにっ──」

健一が雅彦に詰め寄った。
しかし、逆に雅彦から胸ぐらを掴まれてしまう。

「──クッ、離せっ…!」

「いいか健一…よく聞け。お前がどうしたいかは知らんが、中途半端な情で動くならやめておけ、と言っている。まさかお前、亜美に惚れたのか?──なら、それ相応の覚悟を持て」

いつになく鬼気迫る雅彦に、健一はたじろぐ。

「──クソッ…。そんなこと…親父に言われたくねぇよ。もう俺行くから」

胸ぐらを掴んだ手をほどき、健一はモニター室を出ていった。

たった今健一に言い放った言葉──それは誰より、雅彦が自分自身に言い聞かせていたのかもしれない。

「亜美…────」

鏡の向こうでは、亜美は羽交い締めにされ、容赦なく2穴を貫かれていた。
亜美の表情は分からない。

雅彦はその光景を眺めながら、とある夜のことを思い出していた──。
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