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セイドレイ【完結】
第27章 愛

あくまで、昨夜亜美を連れ去ったのは『タカ』だと主張する田中。
「そ、そうかぁ…実は、そのことなんだけどね。『タカ』の正体は、ここに居る…この、亜美の彼氏だったみたいなんだよね…」
慎二がそう告げると、田中は声をあげて驚く。
「えっ?えぇ!?そっそっそんな…ちょっと待ってください、頭がこんがらがっちゃって…え、君があの『タカ』?しかも、亜美ちゃんの彼氏!?」
明らかに動揺を隠せない田中に、慎二が更に詰め寄る。
「…うん。それでさぁ、確かに、公園の時に亜美を連れ去ったのはこいつなんだけど…その後、田中さんの家に来たのはどうもこいつじゃないらしいんだよ…まぁ確かに、こいつ高校生だしさ。俺ら、公園から車で移動したでしょ?さすがに走って尾行はできないと思うんだ。それに…その時間、こいつはもう家に帰って家族と過ごしてるから、アリバイもあるんだよね…」
「そ、そうなん…ですか。じゃ、じゃあ、僕の勘違い…だったのかな?思い込みだったかも…しれませんね…」
急に歯切れが悪くなる田中の様子を、健一も貴之も見逃さなかった。
「…もう一度、よーく思い出して欲しいんだよね?犯人の特徴とか、服装とかさ…どんな小さなことでもいいんだけど…」
「……特徴…服装…ど、どうだったかな…す、すいません…咄嗟のことでよく覚えて無くて……」
咄嗟のことで覚えていないのに、どうしてそれが『タカ』だと分かったのであろう。
だんだん不可解になっていく田中の証言に、三人は疑いの目を向けるようになる。
すると、何を思ったか貴之が唐突に動き出し、クローゼットの扉を開けようとする。
「ちょっ、ちょっと君!何勝手に開けて……」
田中の静止を振り切り、貴之は扉を開けた。
そこに入っていたのはーー、
衣類等の田中の私物だけだった。
微妙な雰囲気の中、再度田中が主張をする。
「…と、とにかく、僕が知ってるのは…お話したことが全てです。あっ亜美ちゃんのことはしんぱっ、心配ですが…これ以上は何も……すいません」
「…そうだよね。いや、こちらこそ突然押しかけてごめんね。でももし…何でもいいからさ。思い出したらまた連絡してよ」
「は、はい…分かりました」
「あ、あと…亜美が無事に見つかったらさ、今度はふつーに遊ぼうよ。そんじゃ、お邪魔しました」
慎二がそう言うと、三人は部屋を後にした。
「そ、そうかぁ…実は、そのことなんだけどね。『タカ』の正体は、ここに居る…この、亜美の彼氏だったみたいなんだよね…」
慎二がそう告げると、田中は声をあげて驚く。
「えっ?えぇ!?そっそっそんな…ちょっと待ってください、頭がこんがらがっちゃって…え、君があの『タカ』?しかも、亜美ちゃんの彼氏!?」
明らかに動揺を隠せない田中に、慎二が更に詰め寄る。
「…うん。それでさぁ、確かに、公園の時に亜美を連れ去ったのはこいつなんだけど…その後、田中さんの家に来たのはどうもこいつじゃないらしいんだよ…まぁ確かに、こいつ高校生だしさ。俺ら、公園から車で移動したでしょ?さすがに走って尾行はできないと思うんだ。それに…その時間、こいつはもう家に帰って家族と過ごしてるから、アリバイもあるんだよね…」
「そ、そうなん…ですか。じゃ、じゃあ、僕の勘違い…だったのかな?思い込みだったかも…しれませんね…」
急に歯切れが悪くなる田中の様子を、健一も貴之も見逃さなかった。
「…もう一度、よーく思い出して欲しいんだよね?犯人の特徴とか、服装とかさ…どんな小さなことでもいいんだけど…」
「……特徴…服装…ど、どうだったかな…す、すいません…咄嗟のことでよく覚えて無くて……」
咄嗟のことで覚えていないのに、どうしてそれが『タカ』だと分かったのであろう。
だんだん不可解になっていく田中の証言に、三人は疑いの目を向けるようになる。
すると、何を思ったか貴之が唐突に動き出し、クローゼットの扉を開けようとする。
「ちょっ、ちょっと君!何勝手に開けて……」
田中の静止を振り切り、貴之は扉を開けた。
そこに入っていたのはーー、
衣類等の田中の私物だけだった。
微妙な雰囲気の中、再度田中が主張をする。
「…と、とにかく、僕が知ってるのは…お話したことが全てです。あっ亜美ちゃんのことはしんぱっ、心配ですが…これ以上は何も……すいません」
「…そうだよね。いや、こちらこそ突然押しかけてごめんね。でももし…何でもいいからさ。思い出したらまた連絡してよ」
「は、はい…分かりました」
「あ、あと…亜美が無事に見つかったらさ、今度はふつーに遊ぼうよ。そんじゃ、お邪魔しました」
慎二がそう言うと、三人は部屋を後にした。

