この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第30章 姿なき脅迫
「で……俺に話したいことって…何?」

学校近くのファストフード店。

そこには、テーブル席で向かい合う貴之と千佳の姿があった。

「うん…亜美ちゃんのこと……なんだけどさ。急に留学したって…本当なの?」

「……あぁ」

「そっ……か。それで……その…二人はさ、まだ…付き合ってるってことで…いいのかな?」

「…………」

「そのうち…帰って来るんでしょ?まさか、ずっと行ったきりなんてこと…ないよね」

「………知らない。でも、俺達は別れたよ。正確に言うと、俺が振られたんだけどさ」

「…え?そっ、そうなの!?どうしてっ!??」

目を丸くして驚く千佳。

「どうして…か。うん…俺も聞きたいくらいなんだけどさ。ははっ。まぁでも、しょうがないよね」

どこか乾いた調子でそう言った貴之。
てっきり、二人がまだ恋仲であると思っていた千佳は、内心嬉しいような、ホッとしたような気持ちになりつつも、斜め下へ視線を落とす貴之の表情からは、きっとまだ亜美を好きなのだろうということが伺い知れる。

「…そもそも、二人はどうして付き合うことになったの?」

千佳が質問を投げかける。
それは、貴之が一番知りたいことでもあった。

「…どしてだろうね。よくよく考えてみると、亜美が俺みたいなのを相手にする理由なんてないしなぁ」

「……それを、私の前で言っちゃうの?」

「……へ?」

「私だって…私だって、水野君のこと好きになったのに…」

「ご…めん。いや、そういう意味じゃ…なくて…さ」

「…じゃあ、どういう意味?」


二人の間に、しばしの沈黙が流れる。
間が持たないと感じた貴之は、頼んだドリンクをゴクゴクと一気に飲み干す。

「…ふぅ。とりあえず、さ。亜美とはもう終わったから。聞きたいことはもう無い?無いなら俺、そろそろ帰っ…」

「亜美ちゃんまだこの街にいるかも」

「……へ?今、なんて…」

「私が直接…見たわけじゃないんだけどさ」

席を立とうとしていた貴之だったが、千佳のまさかの言葉に慌てて座り直す。

「本当は…水野君に言うつもり無かったんだ。だって、亜美ちゃんが居ない方が私にとっては…でも、水野君の顔見てたら…ね。今目の前にいる私のことじゃなくて、まだ亜美ちゃんのこと見てるみたいだから」

「新垣……」
/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ