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セイドレイ【完結】
第30章 姿なき脅迫
「びっくり…って言っても、実はママや私はそんなに驚いて無かったんだけどね。うちのパパと新堂先生は古くからの知り合いで、うちの家族はみーんな、新堂先生のお世話になりっぱなしだし」
「…お世話にって…?」
「あ…うん。新堂先生は、過去にパパの後援会の会長だったこともあったりとか…とにかく色んなツテがある人みたいだから、パパもだいぶ助けられてるみたいで。あとは…私が学園を受けた時も、推薦で取ってくれたり…とか、色々」
千佳は少々濁しているが、彼女が学園に入学できたのは、新堂のはからいによるものだ。
そして、千佳が今後進学予定の大学と、千佳の弟の高校進学についても、すでに新堂によってその保証がされている。
まさかそれと引き換えに、千佳の父である新垣太蔵が会員として出資をし、亜美が性奴隷として扱われていることなど、千佳も貴之も知る由がないだろう。
「…だからね、ママもそれで安心しちゃって。あの日、パパと新堂先生が一緒に居たということは、ちゃんと理由があるんだろうって。後からそれとなくママがパパに確認したら、どうもそのマンションの何戸かを新堂先生が所有してるらしくて。で、投資用としてどうですか?っていう内覧を兼ねての接待にパパも呼ばれたとか何とか。新堂先生って本当に人脈が広いから、そういう場に顔を出すだけでも色んな人と顔見知りになれて、パパの選挙戦が有利になることもあるみたい。…すごいよね、新堂先生って」
千佳の話を聞いているだけでも、新堂という男が只者では無いことが、高校生である貴之にも何となく理解できた。
この話を信じるならば、新堂がそのマンションに居たことは特別違和感を覚えることでもない。
しかし同時刻に、亜美もそこに居たとなると話は変わってくる。
貴之と新堂が接点を持っていたことを千佳は知らない。
そしてそれが、亜美にまつわる話だったことも。
「…分かった。色々教えてくれてありがとな。じゃあそろそろ帰るわ…」
席を立つ貴之を千佳が呼び止める。
「待って!大事なのは今から話すことなのっ…もうちょっとだけ…ここに居て…?」
千佳から懇願され、渋々席に戻る貴之。
「…で、大事なことって?」
「うん…もう1回だけ、ちゃんと確認させて?」
「…なに?」
「亜美ちゃんのことはもう…好きじゃないんだよね?」
「…お世話にって…?」
「あ…うん。新堂先生は、過去にパパの後援会の会長だったこともあったりとか…とにかく色んなツテがある人みたいだから、パパもだいぶ助けられてるみたいで。あとは…私が学園を受けた時も、推薦で取ってくれたり…とか、色々」
千佳は少々濁しているが、彼女が学園に入学できたのは、新堂のはからいによるものだ。
そして、千佳が今後進学予定の大学と、千佳の弟の高校進学についても、すでに新堂によってその保証がされている。
まさかそれと引き換えに、千佳の父である新垣太蔵が会員として出資をし、亜美が性奴隷として扱われていることなど、千佳も貴之も知る由がないだろう。
「…だからね、ママもそれで安心しちゃって。あの日、パパと新堂先生が一緒に居たということは、ちゃんと理由があるんだろうって。後からそれとなくママがパパに確認したら、どうもそのマンションの何戸かを新堂先生が所有してるらしくて。で、投資用としてどうですか?っていう内覧を兼ねての接待にパパも呼ばれたとか何とか。新堂先生って本当に人脈が広いから、そういう場に顔を出すだけでも色んな人と顔見知りになれて、パパの選挙戦が有利になることもあるみたい。…すごいよね、新堂先生って」
千佳の話を聞いているだけでも、新堂という男が只者では無いことが、高校生である貴之にも何となく理解できた。
この話を信じるならば、新堂がそのマンションに居たことは特別違和感を覚えることでもない。
しかし同時刻に、亜美もそこに居たとなると話は変わってくる。
貴之と新堂が接点を持っていたことを千佳は知らない。
そしてそれが、亜美にまつわる話だったことも。
「…分かった。色々教えてくれてありがとな。じゃあそろそろ帰るわ…」
席を立つ貴之を千佳が呼び止める。
「待って!大事なのは今から話すことなのっ…もうちょっとだけ…ここに居て…?」
千佳から懇願され、渋々席に戻る貴之。
「…で、大事なことって?」
「うん…もう1回だけ、ちゃんと確認させて?」
「…なに?」
「亜美ちゃんのことはもう…好きじゃないんだよね?」